住宅ローン控除は2024年にルールが変わり、ほとんどの種類の住宅で控除の対象となる金額の上限が下がります。控除が減ると、その分、所得から差し引ける額が減るので、課税対象額が増えてしまいます。当然、控除は多いほうがお得です。来年以降、家を買うと住宅ローン控除は新しいルールですが、今年、家を買えば今のルールで控除が受け続けられます。とはいえ、家は安い買い物ではありません。まず何がどう変わるのかおさえましょう。
2024年からどう変わる?──控除の対象額が下がる
2024年のルール変更でどう変わるかというと、たとえば、長期にわたり優良な状態が保てると認められた「認定長期優良住宅」の場合、控除対象の金額が2023年までは5000万円までですが、2024年からは4500万円まで下がります。
このほか、省エネに配慮したその他の住宅(省エネ住宅)も2023年と比べて500~1000万円ほど下がります。
なお、中古住宅は2023年と同様に2024年も2000万円までのままなので、心配することはないでしょう。
一般住宅は控除額がゼロに
省エネ住宅ではない、新築の一般住宅は、2023年までは3000万円までが控除の対象ですが、2024年以降はまったく控除を受けられません。
この背景にあるのは、国土交通省が2025年4月から省エネ基準の適合をすべての住宅に義務付けようとしていること、中古住宅を省エネのために取り壊さず長持ちさせることなどと考えられています。
なお、2024年以降も一般住宅の控除は2000万円までというルールもありますが、これには条件があります。それは、2023年12月31日までに建築確認という住宅の検査を済ませるか、2024年6月30日までに住宅が完成していることです。
条件を満たすのは難しいのが、注文住宅の場合です。なぜなら、ハウスメーカー選びから住宅の完成まで1年ほどかかるからです。既にハウスメーカーと打ち合わせや工事を進めていない限り、間に合わない可能性が高いでしょう。
今年中に間に合わせるには……
一般住宅でも2023年中に住宅ローン控除を受けるためには、既に完成している建売住宅を買う方法があります。もし、3000万円の一般住宅を2023年中に買えば、13年間にわたり200万円以上を控除できます。
住宅を買うのは人生において大きな決断で、住宅ローン控除だけ考えて急ぐわけにはいきませんが、買うことを決めている人は、2023年中に買うことも選択肢の一つとして考えてみてもいいでしょう。
文・三澤智史(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
【関連記事】
・「老後破産」しないために読みたい
・ブラックリストでも作れるクレカ5選【PR】(外部)
・今持っている株を売って新NISAで買い直したほうがいい?
・会社に転職活動がバレない転職サイトの機能
・「dジョブスマホワーク」で高ポイントをもらう方法