親がタンス預金をしていると、親の死後に同居していた身内が持ち去ったり、税務署から脱税を疑われたりトラブルになりがちです。タンス預金をしているかもしれない親の特徴を知り、親にタンス預金のリスクを伝えましょう。
1 銀行にお金を預けることに慎重
銀行にお金を預けることに慎重な親だと、死後に多額のタンス預金が見つかることがあります。
日本では、1990年代にバブルが弾けてから銀行の破綻が相次ぎ、1997~1998年には大手金融機関がいくつも破綻して世間にショックを与えました。
親が50〜70代なら、20〜40代に銀行破綻を経験しているかもしれません。銀行が破綻しても1,000万円までは戻ってくる仕組みがありますが、1,000万円を超える分は戻ってこなかった可能性があります。
銀行破綻で痛い目を見た経験があると、銀行にお金を預けることに抵抗感が生まれ、タンス預金をすることがあります。
日頃から「銀行は信用できない」などと口にしているなら、理由を聞いてみましょう。
2 国に財産を知られることを恐れている
国に財産を知られたくないと考えている親は、現金を手元に置くことにこだわり、多額のタンス預金を抱えている可能性があります。
マイナンバーカードと口座を紐づける制度が始まったとき、「国に預金残高がバレるのでは」という不安が広がりました。デジタル庁は、口座を紐づける目的は給付金をスムーズに受け取れるようにするためで、預金残高が国に知られることはないと公表していますが、それだけでは不安が消えない親もいるでしょう。
親がマイナンバーカードを作っていないようなら、それとなく理由を聞いてみるといいかもしれません。
3 「いざというときに迷惑はかけない」が口グセ
「いざというときに迷惑はかけない」と口にする親は、葬儀代としてまとまった現金をしまっていることがあります。
本人が亡くなったと銀行が知ると、口座は凍結され、遺族でも簡単にはお金を引き出せなくなります。もともと相続人が勝手にお金を引き出して持ち去るなどのトラブルを防ぐためですが、葬儀代を払おうにもお金を引き出せないという問題が生じていました。
そのため、2019年からは葬儀代などすぐに必要なお金については、遺産分割が終了する前であっても仮払いとして故人の口座から引き出せるようになりました。最近の改正なので、親はこの払戻し制度を知らず、自分が相続時にお金を引き出せなくて苦労した経験からタンス預金をしている可能性があります。
迷惑とはお金のことを指しているのかたずね、払戻し制度の仕組みについてそれとなく伝えてみるといいかもしれません。
親がタンス預金をしている可能性があるなら、家族が仲違いしたり脱税を疑われたりするリスクについてきちんと話しておくことが大切です。これを機に家族で相続について話し合えるとなお良いでしょう。
文・木崎 涼(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
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