主にバイトやパートの主婦などの年収が130万円を超えると、社会保険や国民健康保険・国民年金に入らなくてはならなくなる問題(いわゆる「年収130万円の壁」)について、厚労省は新しい方針を決め10月から始めることになり、今後は2年連続でこの壁を超えても、夫の扶養のままでいられるようになります。
年収130万円の壁を気にしながら給料を抑えて働いていた人も、10月からは気にせず働けるようになりますが、2025年以降の年金制度の改正のことを考えると、注意しなければいけないこともあります。
今まで「130万円の壁」を超えるなら、160万円稼がないと損だった
9月までは、年収130万円を超えて働くと決めた場合、160万円くらいまで稼がないと損になっていました。なぜなら、少しでも130万円を超えると20万円以上の保険料や税金を支払うことになり、それらを引いた後でもらえる手取り額が130万円を大きく下回ってしまうからです。160万円稼いではじめて、手取りが130万円を超える計算になります。
たとえば、勤め先の社会保険に入っているパート主婦が160万円を稼いだ場合、社会保険料は約20万円、税金は約6万円かかって、手取りは134万円になります。
しかし、10月からは、130万円を超えても急に手取り額が減ることはないため、無理をして年収160万円を目指して働く必要がなくなるのです。
2025年以降は社会保険に入らなければいけないかも
ただし10月以降も、“2年連続”という制限があります。つまり3年目には、また130万円の壁が現れるわけです。
しかし、実際のところは、3年目となる2025年以降もそのまま働き続けるつもりでいるほうがいいかもしれません。というのも、2025年以降の改正案によると、扶養の廃止や社会保険加入の義務化などが進み、手取りが減ってしまうとみられるからです。この手取りの減少に備えて今のうちに年収を増やし、2025年以降もそのまま働き続けてほしいといった意図が考えられます。
パート主婦の扶養に入れる条件がどれだけ不利になるか、具体的な内容はまだ分かりませんが、以上のことを踏まえてこれからの働き方を考えたほうがいいでしょう。
文・三澤智史(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
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