在宅ワーカーの残業代の計算方法を厚生労働省が見直していると報じられましたが、これにより在宅手当をもらっている人は、働き方を改めて考えないと、残業代が減ってしまうかもしれません。
在宅手当が残業代の計算から外される
現在、在宅ワーカーの残業代を計算するとき、基本給や在宅手当などを計算のなかに含めますが、2024年からは在宅手当を計算に含めなくなり、その分の残業代が減ってしまうかもしれません。
計算法を変える理由は、会社に通勤している人がもらう通勤手当が残業代の計算のなかに含まれないことで、在宅手当も同じ扱いにするという狙いがあると見られます。
また、そもそも在宅勤務は働き方改革により“残業を減らすため”に推し進められてきたものでしたが、実際は残業時間が増えてしまったため、日本経済団体連合会(経団連)が残業代の計算方法を見直そうと考えた経緯もあります。
残業代が1年で4万2000円減る可能性も
残業代の計算で元になるのは、基本給や在宅手当などの手当を合計したものを時給に換算した、1時間当たりの基礎賃金です。
たとえば、在宅手当を1ヵ月に1万円もらっている人が160時間働き、時間外労働で残業を45時間している場合を考えてみましょう。この在宅手当1万円を、残業代の計算に含めなくなると、どれくらい減るのかという試算です。
まず1万円を160時間で割り時給に換算します。その時給に、時間外労働の45時間をかけ、さらに時間外なので割増賃金として1.25倍すると、約3500円になります。もらっている残業代から、3500円近く減る可能性があるということです。1年で考えると、4万2000円と大きな金額です。
これまでに、自分が在宅手当をいくらもらっているか確かめてみましょう。
「在宅」の働き方についても見直ししたほうがいい時期かも
これを機に、在宅で働いている人はワーク・ライフバランスを意識して、残業時間が少なくなるよう心がけることも大事でしょう。そもそも、在宅手当は働く環境を整えるための費用であることを改めて認識し、在宅での働き方を見直すことも必要です。
もし、在宅勤務と比べて会社に出社したほうが仕事の効率が良いのであれば、会社に相談してみてもいいでしょう。
文・三澤智史(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
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