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「省エネ住宅」は光熱費をどれくらい節約できる?【一般住宅と比較・試算】

2023/10/08 17:00

光熱費が上がる中、「省エネ住宅」がどれくらい光熱費を抑えられるか気になっている人もいるでしょう。一般の住宅と比べてみました。 節約できる光熱費は1年で11万円のみ 省エネ住宅とは一般に、断熱、日射遮蔽、気密をすることでエネルギーの消費を抑えられる家のことで、法律にもとづいて省エネ基準も設けられていますが、ここでは一次エ

光熱費が上がる中、「省エネ住宅」がどれくらい光熱費を抑えられるか気になっている人もいるでしょう。一般の住宅と比べてみました。

節約できる光熱費は1年で11万円のみ

省エネ住宅とは一般に、断熱、日射遮蔽、気密をすることでエネルギーの消費を抑えられる家のことで、法律にもとづいて省エネ基準も設けられていますが、ここでは一次エネルギーの削減率が50%とすると(ZEB Ready仕様)、一般住宅の光熱費が平均で1年間約22万円のため、省エネ住宅は約11万円と考えられます。

1年で11万円なので、30年間住み続けると330万円の費用を抑えられますが、注意したいのは住宅の価格です。一般住宅は40坪で約2800万円に対して、省エネ住宅は約4000万円で、1200万円ほど高くなってしまいます。

また、2024年以降、制度が変わり控除額が引き下げられる住宅ローンについては、一般住宅が0円に対して、省エネ住宅が300万円ほどで、控除できる金額の差は300万円です。

節約できる光熱費330万円、住宅ローン控除の差である300万円を差し引いても570万円となり、単純計算ではマイナスになってしまいます。

住宅を売ることまで考えると判断が難しい

しかし、住宅を売ることまで考えると、省エネ住宅が損になるかは分かりません。政府が2050年までに二酸化炭素の排出量をゼロにする目標を掲げていることなどから考えると、一般住宅よりも省エネ住宅の中古のほうがの価値が高いかもしれません。

また、住んでいる間にかかる維持管理費用にも差が生じてくるでしょう。省エネ住宅は普及し始めたばかりで歴史が浅いため、いくらかかるか明らかではありませんが、耐久性が高く劣化が少ないため、一般住宅よりも費用を抑えられると考えられます。

居みやすさなどトータルで考えることが重要

省エネ住宅は費用以外のことも含めて、トータルで考えることが重要です。たとえば、住宅の断熱性が低いと、室温が急に変わって体調を崩したり、結露によりカビやダニが発生したりするなど、人体に悪い影響を及ぼすからです。

大切な家族のことを考えながら住宅を選びましょう。

文・三澤智史(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

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