インボイス制度に登録していない人が、取引を切られてしまう事態が起こっています。8.37%の企業が、登録していない人とは取引しないと回答していることもあり(東京商工リサーチ調べ)、そうなってしまった理由とその対策について考えなければいけません。
「価格を理由」に取引停止はできない
仕事を依頼する側の企業などは、インボイスに登録していない人へ支払う金額にかかる消費税分を、他の売上げにかかる消費税分から控除できませんが、だからといってその人との取引を切ることはできません。
なぜなら、独占禁止法があるからで、消費税など価格を理由にして企業が取引を切っていないかどうかの判断に使われます。
また、仕事を依頼する側の企業が消費税分を値引きしたくても、一方的な値引きはできません。相手の合意が必要です。
ただこういう理由なら取引停止になる場合も
しかし、「価格以外」の理由なら、「独占禁止法の処罰に当てはまらない」ので、取引を切られる可能性はあります。
たとえば、インボイスに登録していない人からの請求に対して、「会計処理の手間が複雑になる」といった理由が挙げられます。
ここで問題なのは、取引停止にした本当の理由は、それを命じた側にしか分からないことです。本当は価格による理由であることを隠して、それ以外の理由を相手に伝えて取引を切ってしまう企業も現れる恐れがあると考えられています。
仕事を受ける側ができる対策
仕事の依頼を受ける側が取引停止を避けるためにできる対策として、消費税分を値引きして相手に請求することが考えられます。売り上げは減ってしまいますが、取引がなくなるよりはいいという判断です。
もしくは、インボイスへの登録を改めて考え直すという方法もあります。当然、消費税を納めなければいけなくなりますが、取引がなくなって売り上げが減るよりはいいという理由です。納める税金は、最初の3年間は2割だけですが、それ以降は全額となります。
文・三澤智史(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
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