乳がんは日本人女性の中で最も罹患者の多いがんで、9人に1人が「乳がん」にかかるリスクがあるともいわれている(「がんの統計 2022」公益財団法人がん研究振興財団調査)。乳がんの治療費は高額なことが多いが、自己負担額を安くする方法もある。治療費や自己負担額を軽くする方法を見てみよう。
乳がんの治療費は100万円以上かかることも
乳がんの治療費の内訳として、手術や放射線療法、薬物療法の費用などがある。
治療にかかる費用は、医療機関や患者の状態によって異なるので、一概にいくらとはいえない。
ただ、乳房を切除する手術の例を挙げると、乳房部分切除術は30〜40万円前後、乳房全切除術は20万~50万円前後が一つの目安とされている。
手術だけでなく放射線療法や薬物療法なども組み合わせて治療すると、130万円ほどかかることがある。さらに、乳房再建手術まで行うと、150万円ほどが治療費の目安とされている。
これらの費用のほかに、通院費用や入院費用などがかかる。
乳がんの治療費は保険が効く さらに安く抑える方法は?
乳がんの治療費は基本的に保険が適用される。
たとえば、治療費が100万円かかったとき、3割負担の場合は自己負担額が30万円となる。
また、高額療養費制度を使って負担をさらに軽くできることもある。
高額療養費制度とは、1ヵ月に支払った医療費が一定の上限額を超えたときに、超えた分が払い戻される制度だ。
上限額は年齢や年収によって異なる。
たとえば、69歳以下で年収がおよそ370万円以下の人は、世帯ごとのひと月の医療費上限額が5万7,600円と定められている。この条件に当てはまる人がひと月に医療費を20万支払った場合、14万2,400円が払い戻される計算だ。
実際に払い戻しを受けるには、自分が入っている健康保険組合や協会けんぽなどの公的医療保険に申請しなくてはならない。
治療費の負担を軽くするためには定期検診を
乳がんは早期に発見できれば、完治の可能性が高まるだけでなく、治療費の負担も軽くなることが多い。
早期発見のために大切なのが、セルフチェックや定期的な乳がん検診だ。
乳がん検診については、40歳以上の人を対象に検診費用の一部、または全部を負担している自治体が多い。
しかし、乳がん検診を毎年、もしくは2年に1度など定期的に受けている人はおよそ5割というアンケート結果もあり、検診受診率が高いとはいえない。(エーテンラボ株式会社「「乳がんに関する意識調査2021」)
命を守るためだけでなく、治療費の負担を軽くするためにも、定期的に検診を受けるとよいだろう。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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