花粉症は春だけでなく、秋にも悩まされている人が増えているというが、薬はドラッグストアなどで買える市販薬と病院で処方してもらう薬とで、どのような違いがあるのだろうか。市販薬と処方薬のコストと効き目を比べてみた。
花粉症薬「アレジオン」と「アレグラ」は市販と処方のどちらが安い?
花粉症の薬としてよく耳にする「アレジオン」と「アレグラ」は病院でも処方されるし、ドラッグストアでも市販されている。
たとえば病院でアレジオンを2週間分処方してもらうと費用は971円となり、3割負担なら291円となる。アレグラだと、薬代が1817円なのでその3割は545円だ。
病院を受診した場合、薬代の他に診察代や処方箋料、さらには薬局で支払う調剤料がかかる。初めて病院を受診すると初診料が2820円、処方箋料は680円ほど。これに調剤料1000円が加わり、この合計額の3割負担となる。
このため、アレジオンだと1641円(2820円+680円+1000円+971円の合計の3割)かかり、アレグラだと1895円となる。
アレジオンとアレグラはそれぞれ2011年、2012年から市販されているが、ネットなどで買うとどのくらいかかるのだろうか。
市販薬のアレジオンとしてエスエス製薬の「アレジオン20」を買うとすると、1日1回の服用で効くので、2週間分となると少し足りないが12錠入り1箱を想定してみよう。Amazonで12錠入りの価格は1171円(税込み、以下同)だ。
一方のアレグラは久光製薬 <4530> の「アレグラFX」があり、1回1錠、1日2回の服用となっているので、2週間分なら28錠入りがちょうどで、Amazonでの価格は1600円だ。
処方薬と市販薬のコストだけを比べるとアレジオンで約470円、アレグラで約300円市販薬が安いことになる。ただし市販薬のアレジオンは2週間に少し足りない量ではある。
花粉症薬の処方薬と市販薬は効き目に違いがあるの?
コストは市販薬のほうが若干安いが、処方薬と市販薬で成分に違いはあるのだろうか。
製薬会社のウェブサイトによると、花粉症薬の有効成分は抗ヒスタミンという成分に分類されるもので、市販薬のアレジオン20では「エピナスチン塩酸塩」、アレグラFXなら「フェキソフェナジン塩酸塩」という成分がそれに当たるという。
アレジオン20にはこの有効成分が1錠中20ミリグラム含まれている。アレグラFXでは2錠中に含まれるフェキソフェナジン塩酸塩が120ミリグラムだ。
一方の処方薬だが、医師向けの医療情報を提供するウェブサイト・日経メディカルの処方薬辞典というコーナーにアレジオン20が紹介されているので、医療機関でも同じ薬を処方しているとみていいだろう(データ提供はメドレー <4480> )。
ここでは、アレグラについては「アレグラ錠60mg」の情報が紹介されているが、有効成分については1錠中フェキソフェナジン塩酸塩が60mg含有とある。1日2回経口投与となっているので、有効成分量は市販薬のアレグラFXと同じだ。
アレジオン、アレグラとも処方薬と市販薬に効き目の違いはないと考えてよいのではないだろうか。
効き目が同じなら安い市販薬のほうがいい?
コストが安く済み、効き目も同じなら市販薬で十分と思うかもしれないが、安易に市販薬に頼るのは考えものかもしれない。
同じ花粉症とはいっても、人によって症状や投薬中の薬の種類や有無によって最適な薬は異なるだろうし、他の治療方法が必要なことも考えられるからだ。
たとえばアレジオンやアレグラなどの投薬は症状を緩和する対処療法だが、近年はアレルギーを体質から改善する舌下免疫療法が注目されている。
この治療法は舌の上に少量のアレルゲンを含む薬を乗せ、一定時間置いた後に飲みこむというもので、こうして少しずつアレルゲンに対して過剰反応が起こらないようにするものだという。
保険が適用されるほか、子供(治療対象は5歳以上)なら「子ども医療費助成」の対象となるので費用は実質無料となる。
この治療を受けるには、まずアレルギー検査を受けなければならない。3割負担の費用は2500円~4800円ほどだ。
その後は定期的に通院するわけだが、初回は治療費と薬代を合わせて4000円から5000円ほど。2回目以降の費用は1カ月2000円~3000円ほどかかるようだ。
ある調査では2人に1人が花粉症とこたえたほど広がっているが、症状が比較的軽かったり、市販薬で効果がみられたりするなら、通院時間もコストも節約できる市販薬でもいいのかもしれない。
ただ症状や体質は個々に違うので、少しでも心配な点がある人はやはり一度医療機関を受診したほうがいいだろう。
文/編集・dメニューマネー編集部
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