日経平均株価は2023年6月、平成バブル崩壊後23年ぶりの高値となる3万3772円をつけた後、米国の長期金利が急騰したことから、10月には高値から大きく下落。しかし11月に入り、米金利が頭打ちしそうなことを理由に、1週間で2000円以上も高くなっている。今回の日本株の上昇の波には、乗るべきなのだろうか?
そもそも金利が上がると、なぜ株価は下がるのか?
金利が上昇する局面では株価が下がり、金利が下落する時には株が上がるのは、日銀や米FRB(米連邦準備制度理事会)といった各国の中央銀行が、景気が過熱すると政策金利を上げて景気を冷まし、景気が冷え込みすぎると、今後は金利を下げて景気を刺激するからだ。
景気の過熱はインフレにつながることが多く、自国の通貨の価値が下がることを意味する。米FRBは利上げおこない、景気の加熱を冷まそうとしてきたというわけだ。
こうした背景から、金利は「経済の体温計」とも呼ばれている。
「10月の株安」と「11月の株高」の理由
10月の株安の主な理由は、米国の長期金利が16年ぶりの水準となる「5%」を付けたことと考えられる。
2022年にロシアのウクライナ侵攻が起こると、電力や穀物価格など、あらゆるモノの価格の上昇傾向が始まった。FRBはインフレを抑えるために、2022年から政策金利を11回上げてきた。
ところが、インフレが落ち着く傾向がみられないことから、市場では、FRBの利上げは継くとの見方が主流となっていた。
しかし2023年10月には、長期金利が“節目”と考えられている5%に達したことで、達成感が広がった。さらに、11月3日の米10月雇用統計が予想を下回り、景気に減速感がでてきた。
11月の株価急騰の理由は、こうした状況の中で、長期金利は4.5%まで下がり、米国株に買いが入り、日本株にも一気に買いが入ったことだ。
過去、米長期金利が5%をつけた翌年にリーマン・ショックが起きている
長期金利には頭打ち感がでているが、まだ政策金利を下げはじめたわけではないので、経済指標によっては、金利も株もまだ乱高下する可能性が高く、今の上昇が続くとは限らない。
米長期金利が5%になったのは16年ぶりで、前回、2007年は世界景気が拡大していた頃だ。その後、2008年の世界金融危機(リーマン・ショック)が起きて株価は暴落した。当時、日経平均は2007年の高値1万8300円から2008年安値の6994円まで6割以上下げている。
リーマンショックの大きな原因は、土地のローンで組んだ債券の含み損が広がり、金融機関が大きな含み損を持ったことだった。
今回の金利上昇局面でも、米国商業銀行が破たんした。金利が高止まりすると同じような事が起こりうる。
市場が乱高下するときには、基本通りに分散投資が鉄則だ。乱高下の激しい株などへの投資には注意しながら望むほうがよさそうだ。
文/編集・dメニューマネー編集部
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