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過去最高益の食べログ、赤字継続のぐるなび 明暗が分かれた理由

2023/11/27 05:00

「食べログ」を運営するカカクコム <2371> が好調だ。コロナ禍からの人流回復で予約件数が増え、コロナ前の過去最高益を4期ぶりに更新する予想だ。一方、「ぐるなび」は、4期連続で赤字の予想だ。大きく差がついたのはなぜなのだろうか。 カカクコムは中間決算発表後に株価が急上昇 カカクコムが11月7日に発表した2

「食べログ」を運営するカカクコム <2371> が好調だ。コロナ禍からの人流回復で予約件数が増え、コロナ前の過去最高益を4期ぶりに更新する予想だ。一方、「ぐるなび」は、4期連続で赤字の予想だ。大きく差がついたのはなぜなのだろうか。

カカクコムは中間決算発表後に株価が急上昇

カカクコムが11月7日に発表した2024年3月期の中間決算によると、売上高は314億円(前年同期比11%増)、特に主力の食べログ事業はレストラン予約の回復で130億円(同21%増)と好調な結果だった。

通期の会社予想では、売上高は677億円(同11%増)、当期利益は184億円(同43%増)を見込む。売上高、当期利益ともにコロナ前の2020年3月期を上回り、4期ぶりに過去最高を更新することになりそうだ。

カカクコムの株価は10月に6年ぶりの安値をつけたが、好決算と自社株買いを発表したこともあり、決算発表後2日で16%も上昇する局面も見られた。

ぐるなびは、売上は増えるも利益が出ない

これに対し、11月1日に発表した2024年3月期中間決算を発表したぐるなび <2440> も 食べログほどではないが売上高は回復しているものの、通期の会社予想では、売上高は127億円(同11%増)、最終利益は7億円の赤字を予想。4期連続の赤字を見込んでいる。

なお24年3月期の売上高は56億円(前年同期比4%減)。前期で終わったデリバリーサービスや「Go To Eatキャンペーン」の運営受託収入などの特殊要因を除くオーガニックな売上は13%増と、決して悪い数字ではなかった。

株価は2023年10月、中間決算発表前のことだが、上場以来の最安値の244円をつけている。赤字の縮小で最安値からは戻しているが、11月22日終値で302円とまだ低水準にある。

なぜ、食べログのほうが利益が出るのか?

なぜ両社の「稼ぐ力」に差が付いたのかは、ビジネスモデルの違いで説明がつけられるdろう。

食べログのビジネスモデルは、クチコミをキラーコンテンツに利用者を集め、予約が生まれれば手数料を取れるというものなので、人件費は低い。カカクコムは“事業別”の利益率を開示していないため全体の利益率になるが、今期予想の営業利益率は40%だ。

これに対し、ぐるなびの特養は、有料加盟店に対する各種経営サポートの提供で、人件費が掛かる。この高いためコロナ前の2019年3月期でさえ営業利益率は4%と低い。

この差が「稼ぐ力」の差になる。

また、食べログが少人数の予約が中心であるのに対し、ぐるなびは会社の宴会など大人数に強い。コロナ後の人の流れは回復しているが、大きな宴会の需要などはまだまだ回復していない。

ぐるなびの業績はコロナで停滞したというよりも、その前の2017年3月期に既にピークだったとも言える。

ただし食べログも油断はできない?予約サイト離れが加速……

予約サイトの売り上げは回復してきているが、予約サイト経由で予約する比率が下がってきていることの影響も小さくないだろう。

最近では、レストランを探す手段としてInstagram(インスタグラム)などのSNSが使われるようになっている。また、レストランに限らず、何か商品を買ったりサービスを使ったりする際、インフルエンサーの発信や、SNSでフォローしている知人・つながりの書き込みを参考にする人が確実に増えている。

グルメサイトが復活するためには、こうした消費者行動の変化を反映した新たな魅力づくりが欠かせないだろう。

文/編集・dメニューマネー編集部

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