よく聞く「自己破産」を“他人事”と思ってる人も多いだろうが、 2022年の自己破産件数は6万4,833件もあり(最高裁判所)、さらに裁判所を通さない「任意整理」はもっと件数が多いとされており、正確な数字は不明だが、1年間で200万人が申請したともいわれている。決して“他人事”ではなく、任意整理になると困ることの一つが「口座凍結」だ。
任意整理は意外と多く自己破産の6倍くらい
自己破産は、債務整理の一種。借りたお金がかさんで支払いがどうしても無理になった場合に、この借金を整理することを債務整理といい、裁判所を介しておこなうものが自己破産(または個人再生)という。
また、債務整理にはほかにも方法があり、裁判所を介さず、弁護士などの専門家が行うのが「任意整理」だ。裁判所の介入なく手続きできるため、債務整理の大半を占めるという。
少し古いデータだが、1999年は自己破産が2,233件、任意整理は1万2,770件だったので、自己破産よりも約6倍にものぼるのだ(厚生労働省調べ)。
自己破産の場合は、借金の支払いがすべて免除されるため、返済はゼロになるが、家や車などの財産は手放さなければいけなくなる。
これに対し、任意整理は、利息のカットや返済期間の見直しで支払いの負担を減らすものなので、借金はゼロにはならない。長めの期間をかけて、借金の完済を目指すことになる。
この任意整理で意外と見落とされがちな注意点は、銀行口座が「債務整理口座」となってしまうことだ。
債務整理口座になるとどうなるか
任意整理をするには、弁護士などに依頼することになるが、この時、手続きの開始を知らせる「受任通知」が金融機関に送られるため、口座が債務整理口座となり、そこにある預金が返済に充てられるので、口座も凍結される。
ただし、債務整理口座になって凍結されるのはあくまで、返済に困ったローンがある銀行の口座だけ。たとえば住宅ローンがどうしても返せなくなった場合、住宅ローンを支払っている銀行の口座を任意整理口座に自分で指定することになるので、その銀行に受任通知が送られる。任意整理は自己破産と異なり、財産のすべてが対象になるわけではないのだ。
ここで困るのが、凍結された口座が給料受け取り口座と同じ場合などだ。凍結されると、その口座のお金は、返済に充てられるため、お金は引き出せない。光熱費の引き落としもできなくなる。
お金が引き出せなくなる前にすべきこと
このため、任意整理を進める場合は、生活に必要なお金はほかの金融機関へ移し、給料の受け取り口座も変更しておいたほうがいい。光熱費の引き落としも別の口座を指定しておこう。
受任通知は、債務者が弁護士などに任意整理を依頼してすぐに発送されるため、預金の管理は通知が届くまでの数日の間に対処しておいたほうがいい。
文/編集・dメニューマネー編集部
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