2023年の企業倒産はコロナ禍前を上回る水準になっています。今年倒産した企業の中でも、特に負債総額が大きかった企業を振り返ってみましょう。
1 パナソニック液晶ディスプレイ――IPS方式の液晶パネルを手掛けた会社
パナソニック液晶ディスプレイは、約5836億円の負債総額を抱え、3月に解散しています。
この会社は、IPS方式の液晶パネルの開発製造を手掛ける企業で、日立製作所 <6501> 、東芝 <6502>、松下電器産業(現:パナソニックホールディングス <6752>)による合弁会社として2004年10月に発足。
2008年3月期には約1523億円9300万円の売上高をあげたこともありましたが、激しい価格競争の中で赤字が続き、2010年には当時のパナソニックの連結決算子会社になっています。しかし、その後も債務超過額が大きくなっていました。
そして、3月末に事業活動を停止し、9月1日に存続期間の満了をもって解散しました。
2 ガイアほか6社――大手パチンコチェーンとして有名だったけど……
ガイアは「GAIA」の店名で展開する大手パチンコチェーンでしたが、10月に東京地裁へ民事再生法の適用を申請、同社の負債は約943億5500万円で、パチンコホール経営業者として過去最大となります。また、関連6社を含めた負債総額は1793億8558万円です。
この会社は、1984年に設立し、2006年5月期には売上高約5853億500万円をあげました。
しかし、遊戯人口が減ったことに加え、2011年に当時の代表取締役が覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕されたり、2012年には東京国税局から所得隠しを指摘されたりといった問題が報じられ、売り上げが落ち込んでいました。
その後、不動産の販売などで増収へ転じたものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、売り上げが大きく減ってしまいました。
3 FCNTほか2社――「arrows」「らくらくスマートフォン」を手掛けた会社
FCNTは「arrows(アローズ)」シリーズや「らくらくスマートフォン」などを取り扱う携帯電話メーカーでしたが、5月にグループの法的整理に伴い民事再生法を申請、グループ3社の負債総額は1775億円でした。
FCNTは、富士通の境内電話端末事業が母体の会社で、2016年に富士通コネクテッドテクノロジーズとして分社化されています。その後、国内投資ファンドのポラリス・キャピタル・グループの傘下となっています。
メイド・イン・ジャパンにこだわった本社工場での生産を特徴とし、2022年3月期には売上高695億5300万円をあげていましたが、グループの法的整理に伴い、民事再生法を申請しました。
2022年度の携帯電話端末の国内出荷台数に占める同社のシェアは9.9%で、アップルやシャープ <6753> に次ぐ3位だった(MM総研調べ)だけに、同社の倒産は大きな注目を集めました。
4 ユニゾホールディングス――エイチ・アイ・エスがTOBを表明した不動産会社
ユニゾホールディングスは、4月26日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し同じ日に、保全監督命令を受けました。負債総額は約1261億9800万円です。
この会社は、1959年9月に創業した不動産事業者で、「ホテルユニゾ」「ユニゾイン」などのホテル事業や貸しビル、ゴルフ場など多角的な経営を進めてきました。
2019年3月期の連結決算では売上高560億5300万円をあげるなど好調な業績を維持しており、同年7月にはエイチ・アイ・エス <9603> がTOBを表明したことを皮切りにTOB合戦が繰り広げられ、株価が急騰しています。
その後、チトセア投資により、約2050億円でEBOが成立し、2020年6月に上場廃止していました。
金融機関からの資金調達が困難となる中で、保有不動産の売却などを進めながらスポンサーを探していましたが、支援を取り付けるまでには至りませんでした。
文/編集・dメニューマネー編集部
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