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【アノマリー】1月相場は上昇するのか?過去10年を振り返ってみた──「1月効果」の真実

2024/01/02 07:00

「1月に日経平均株価が上昇すると、その年の日経平均は年間を通じて上げることが多い」という。2023年の日経平均の終値は3万3464円17銭で、年末としてはバブル経済最盛期の1989年につけた、3万8915円87銭以来、34年ぶりの高値となった。2024年も好調な流れが続くのだろうか。株式市場に存在するアノマリー(経験則

「1月に日経平均株価が上昇すると、その年の日経平均は年間を通じて上げることが多い」という。2023年の日経平均終値は3万3464円17銭で、年末としてはバブル経済最盛期の1989年につけた、3万8915円87銭以来、34年ぶりの高値となった。2024年も好調な流れが続くのだろうか。株式市場に存在するアノマリー(経験則的に観測できる市場の規則性)から見ていこう。

1月は株価が上がりやすい「1月効果」の検証

株式市場には1月に株が上がりやすい「1月効果」と呼ばれるアノマリーがあり、1月の日経平均終値が前月末(前年12月末)比で上昇したのは、2000年以降の24回のうち13回だった。勝率は54%になる。

この54%という勝率は決して高い数字ではない。むしろ、次に示す5年のケースのように、日本が正月の休場中で海外市場が下がり、年初から大きく下げたという印象の年も多い。

・2008年:前月末比11.2%安(サブプライムローン問題)
・2009年:9.8%安(前年10月にリーマンショック)
・2014年:8.5%安(アルゼンチンペソ急落)
・2016年:8.0%安(米国の年末利上げ懸念)
・2022年:6.2%安(米国の利上げ懸念)

ただ、データを1976年以降にさかのぼると、1月の勝率は62%と高くなる。他の月の勝率と比べても、12月(前月末との比較)の68%、11月の67%、4月の65%に次ぐ上昇確率の高い月である。昔は明らかに「1月効果」があったようだ。

また、1月効果は中小型株にその傾向が強そうだ。というのも、1月の騰落率の平均は、旧マザーズ指数が日経平均株価指数を上回っているからだ。小型株は12月の権利付き最終日以降に上がり始める傾向がある。このことも、「1月効果」という言葉がよく使われる理由なのかもしれない。

さらに「1月効果」が指摘される背景には、利益や損失確定で年末に売った銘柄の買い戻しが1月に入る傾向が強いこともある。ほかにも、休暇明けに外国人などの機関投資家が新年に株を買うことが多いからとも言われている。

1月の「株が上がりやすい日」は合計6日ある

1月に日経平均が上がると、その年の日経平均は年間を通じて上げることが多いと言われるものの、2000年以降、1月と年間の方向性が相関している(1月高なら年間高、1月安なら年間安)は12回と半分なので、決して1月の方向性が年間の方向性を決めるわけではなさそうだ。

ただ、直近3年は1月に上げた年は年間でも上げている。1月が下げた年は年間でも下げている。相関性は強まりつつあるのかもしれない。

ちなみに、1月の「日別の勝率」(終値が前営業日よりも上がった日)を調べると、4日、9日、14日、19日、25日、31日が勝率6割を超えている。上げる確率が高い日、つまり「勝ちやすい日」が6日ある。

1月4日は、通常。新年初日でご祝儀買いもあるだろう。その他の理由はわからないが、月間でもっとも上げる確率の高い12月ですら、勝率6割を超える日は5日しかない。長期でみれば、1月は儲けやすい月と言えそうだ。

文/編集・dメニューマネー編集部

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