失業給付をもらったら「出費が増えるかもしれない」は本当か?

2024/01/09 05:00

「無職になっても失業給付(失業保険)がもらえる」と心のどこかで思っている人は少なくないだろうが、失業給付を受け取ると、意外な出費が増える可能性がある。 なぜ失業給付で出費が増えるのか 失業給付は求職活動をしている無職の人に払われる手当だが、一定額以上の失業給付をもらうと、家族の扶養から外れてしまうので、国民健康保険と国

「無職になっても失業給付(失業保険)がもらえる」と心のどこかで思っている人は少なくないだろうが、失業給付を受け取ると、意外な出費が増える可能性がある。

なぜ失業給付で出費が増えるのか

失業給付は求職活動をしている無職の人に払われる手当だが、一定額以上の失業給付をもらうと、家族の扶養から外れてしまうので、国民健康保険と国民年金は、全額自分で支払わなければいけなくなる。

失業給付の額は退職する直前の給与額の約50%~80%と人によって異なり、通常収入が少ないならパートナーや親、子などの扶養に入れば、健康保険や年金を自分で払わず負担が減らせるが、扶養に入るには条件がある。

失業給付で扶養から外れてしまう人の条件

家族の扶養に入る条件は、扶養者と生計が同じで、年収が130万円未満かつ扶養者の収入の1/2未満であることだが、そうした条件に合っていても、以下の額以上の失業給付をもらうと扶養から外れてしまう。

●扶養から外れる失業給付額
60歳未満……日額3612円以上
60歳以上……日額5000円以上

ここで気になるのが、自分が失業給付をもらうとしたら、いくらになるのかだろうが、計算のもとになるのは、退職する前6ヵ月分の給与だ。大まかな計算だが、月給約14万円以上もらっていたら、失業給付は日額3612円以上になるので、扶養には入れない。

失業中だけに負担は重い

そう考えると、失業給付を受けるほとんどの人は扶養を外れて、国民健康保険と国民年金を支払うことになる。これらの金額は人それぞれだが、決して安くはない。

まず国民健康保険料は、前年の収入と年齢と住む市町村、世帯人数によって決まる。

たとえば、東京大田区の保険料で、2022年分の平均給与457万6000円をもとに試算すると、39歳までなら月額4万5770円になる。40歳以上65歳未満だと、介護保険料が上乗せされるので、月額5万6510円だ(実際には異なる場合がある)。

そして国民年金は月額1万6520円(2023年度)と一律だ。

これらを足すと、毎月の負担額は39歳までなら6万2290円。40歳以上なら7万3030円になる。失業中の社会保険料の支払いは意外と大きいので、事前に対策を考えておいたほうがいいだろう。

編集・dメニューマネー編集部
画像・stock.adobe.com

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