能登半島地震の被害の様子を見て、地震保険の契約を考えている人もいるでしょう。地震保険について検討する際、契約する前に知っておきたいことがいくつかあります。
火災保険だけだと地震のとき何も補償されない
地震保険の補償内容や保険料はどの保険会社でも同じで、保険料は地域の地震のリスクによって決まります。
木造住宅に建物1000万円の地震保険(火災保険の保険金額は2000万円)の年間保険料(割引なし)は、都道府県ごとに同じで、能登半島地震の被災地となった2県や人口の多い東京京都などを例に紹介すると、以下のとおりです。
・宮城県 1万9500円
・東京都 4万1100円
・石川県 1万1200円
・富山県 1万1200円
つまり東京都内であれば、建物1000万円など同じ条件なら保険料は同じということです。
地震保険の保険料は3段階に分かれていて、東京都は最も高い地域、石川県と富山県は低い地域です。
このように地震保険料の負担は軽くはありませんが、契約する意味、メリットは何かというと、地震で起きた火災は、火災保険では補償されず、地震保険を契約しておかないと補償を受けられないことです。火災保険は、土砂崩れや津波による被害も対象外です。また、火山の噴火による火災のような損害も同じです。
耐震性が高い建物でも地震の被害を受けることはある
「うちは耐震性の高い建物だから大丈夫」と考える人もいるでしょうが、地震のリスクがゼロというわけでありません。地震の揺れに自宅が耐えたとしても、近くの家で起きた火災や建物の倒壊による被害を受けるおそれはあります。
自分の家の耐震性や耐火性が優れていても、周辺の住宅の状況を見て地震保険を付けるかどうかを判断しましょう。
建物は大丈夫でも家財に大きな被害が及ぶこともある
地震の揺れが大きい場合、建物に被害がなくても家財が大きな被害を受けるケースがあります。たとえば、食器棚が倒れてコップや茶碗が割れる、テレビや冷蔵庫のような大型家電が倒れて壊れるといった損害も考えておく必要があるでしょう。
大型の家財をそろえるにはまとまったお金がかかるため、地震保険には家財の補償もセットしておくと安心です。
石川県と富山県の地震保険の付帯率は低めだったが……
今回の地震で特に被害が大きかった石川県と富山県の火災保険への地震保険の付帯率は、それぞれ64.7%と63.5%で、全国平均の69.4%に比べると低めでした。
地震保険料は地震のリスクによって決まるため、保険料が低めの石川県と富山県では地震保険の必要性が低いと思った人が多かったと考えられます。
それでも今回のような大地震が起きてしまいました。
地震保険は、火災保険に入ってからでも付けられます。火災保険だけで不安な人は、今からでも検討してはいかがでしょうか。
文・松田聡子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
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