受験、入学、進学のシーズンの今、子供の将来の学費・教育費について頭を悩ませている保護者の中には、両親から、つまり子供の祖父母から助けてもらおうという人もいるだろう。教育費の贈与を受ける際に気を付けるべきなのは、もらい方によっては税金がかかってしまうことだ。特に2024年からは贈与に関する法律も変わるので、知らないと損するかもしれない。
1年間で110万円以上もらうと税金がかかる
祖父母などからお金をもらうと“贈与”にあたり、贈与税がかかるかもしれないが、教育資金は、発生するたびに必要な分だけもらっておけば贈与税はかからない(都度贈与)。
しかし、「どうせ将来使うから」と先にまとめて受け取ってしまうと税金がかかってしまう。
ただ、贈与税には110万円の基礎控除があるので、まとめてもらうなら1年間に110万円以下にしておけば大丈夫だ(暦年贈与)。
ここで生じる疑問としては、「入学金などでかかる費用が110万円を超えたらどうなるの?」ということだが、あくまで教育資金として必要な額を都度渡していれば、110万円以上受け取っても非課税だ。
しかし、祖父母が高齢であったり認知症の恐れがあったり……といった理由で、早めにお金を受け取っておきたいケースもあるだろう。その場合は、「教育資金の一括贈与の特例」を使えば、1,500万円までは非課税にできる。
一括贈与でも贈与税がかかることも
とはいえ、一括贈与の特例を使えば必ず非課税になるわけではない。
課税されてしまうケースとしては、もらったお金を使いきれずに孫が30歳を迎え、かつ学校などに在学していなかった場合がある。このケースでは、一括贈与の契約が終了となり、残ったお金に税金がかかる。
また、贈与した人(祖父母)が亡くなった場合も、税金がかかるケースがある。こちらは孫の年齢が23歳以上(2023年4月以降に契約した場合)だと、相続税の課税対象となってしまうのだ。一括贈与の特例を検討している人は、祖父母と孫の年齢に気を付けたい。
2024年から税制が変わった!110万円以内の暦年贈与は相続税に注意
毎年もらう金額を110万円以内に収めておけば贈与税はかからないのだが、2024年からは税制が変わり、以前と比べてかかる相続税が高くなる可能性がある。
贈与した人が亡くなると、生前に受けとっていたお金が相続税の課税対象となることがあり、これを「持ち戻し」というが、この「持ち戻し」の対象とされる期間が、亡くなった日以前の3年間だったものが、税制が変わり、2024年から7年間に延長されたからだ。
たとえば、祖父母から毎年100万円の贈与を10年間受けるとして、祖父母が亡くなった時から過去7年分に贈与した資金が相続財産とみなされる。つまり、100万円×7年=700万円のお金が相続税の対象となってしまうのだ。
本来、年間の贈与額が110万円以下なので贈与税はかからないのだが、贈与者が死亡したことで相続税がかかるようになる。2023年までは、持ち戻しが3年だったので、上の例では過去3年分、300万円が相続税の対象だったのが、今年からは7年分に増えてしまうのだ。
祖父母の年齢や健康状態、孫の年齢や進学先など、人によって最適な贈与の方法は異なる。せっかく学費の援助を受けるのなら、損しないよう祖父母にも税金の相談をしたほうがいいだろう。
文/編集・dメニューマネー編集部
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