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トヨタの企業価値、史上最大のバブル超え!35年前の時価総額トップ10はどんな企業だった?

2024/01/30 05:00

日経平均が33年11ヵ月ぶりの高値を付け、トヨタ自動車 <7203> の企業価値は国内史上、過去最高となった。企業の株式史上での価値を示す時価総額を35年前と現在とで比べると、日本の構造変換がよく分かる。35年前に時価総額1位だった企業は?これから35年後には、どのような企業が伸びているのだろうか。 これま

日経平均が33年11ヵ月ぶりの高値を付け、トヨタ自動車 <7203> の企業価値は国内史上、過去最高となった。企業の株式史上での価値を示す時価総額を35年前と現在とで比べると、日本の構造変換がよく分かる。35年前に時価総額1位だった企業は?これから35年後には、どのような企業が伸びているのだろうか。

これまでのトップは平成バブル期のあの会社

2024年1月23日、トヨタ自動車の時価総額 は48兆7981億円となった。これは、平成バブル期の1987年につけたNTT <9432> を上回り、日本企業としては過去最高だ。

トヨタの株は今、過去最高益を更新する見込みから買われている。日本株が外国人投資家から買われており、日本株の人気が高いことも後押ししている。トヨタは日本株の象徴とも呼ばれるだけに、そうした影響があるのは当然だろう。

日経平均株価 の最高値は、平成バブル期の1989年12月につけた3万8957円。そして現在の日経平均はというと、1月23日の高値で3万6984円である。あと2000円(5%)ほどで過去最高値となる位置にあるが、欧米の株価指数が過去最高圏にあるなかで、日経平均はいまだに35年前の高値を抜けていない。

35年前の時価総額ランキング1位は?

35年前・1989年の時価総額トップ上位はどんな企業だったのだろうか。2024年のトップ10と比べてみよう。

●1989年末時価総額ランキング  業種 ドルベース時価総額(億ドル)
1 日本電信電話(NTT) 通信 1638
2 日本興業銀行 銀行 715
3 住友銀行 銀行 695
4 富士銀行 銀行 670
5 第一勧業銀行 銀行 660
6 三菱銀行 銀行 592
7 東京電力 電力 544
8 トヨタ自動車 自動車 541
9 三和銀行 銀行 492
10 野村證券 証券 444
(出所:米ビジネスウィーク誌(1989年7月17日号)「THE BUSINESS WEEK GLOBAL 1000」)

●2024年時価総額ランキング 円ベース (1月25日時点)
1 トヨタ自動車 <7203> 自動車 48兆3500億円
2 ソニーグループ <6758> 電気機器(AV、映画、ゲーム) 18兆1000億円
3 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 銀行  17兆600億円
4 日本電信電話(NTT) <9432> 通信 16兆8600億円
5 キーエンス 機械(センサー) <6861> 16兆300億円
6 東京エレクトロン 電気機器(半導体製造装置) <8035> 13兆5100億円
7 ファーストリテイリング アパレル <9983> 12兆3900億円
8 信越化学工業 <4063> 化学(半導体関連・住宅) 11兆7400億円
9 KDDI <9433> 通信 11兆2900億円
10 三菱商事 <8058> 総合商社 10兆8800億円

バブル期のトップ10のうち、7社が金融(銀行6社、証券会社1社)で占められている。

しかしバブル崩壊後、金融界は業界再編が進み、既に社名がそのまま残っている銀行はない。2024年1月25日時点で、トップ10に残っているのは三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> のみだ。

銀行は規制緩和が進み、競争激化で業界再編 をせざるを得なかった。

一方、トヨタ、ソニー <6758> 、ファーストリテイリング <9983> などは、グローバルで存在感を高め令和における時価総額ランキング上位にランクインした。キーエンス <6861> 、東京エレクトロン <8035> 、信越化学工業 <4063> のように、技術力をベースに新世代のテクノロジーに欠かせない企業としてランキング上位になった。

安定よりも成長を求めるのが株式市場

35年のトップ10企業の変化を見ると、産業構造や投資家が企業に求めるものが変わってきていることが分かる。安定的に収益を生み出す企業よりも、常に時代にあわせて成長している企業への注目が集まるのは、いつの時代も同じだ。

米国で1月に、マイクロソフトがアップルの時価総額を抜いたことが話題になった。マイクロソフトが生成AIで積極的な動きを示している点を市場が評価したものだ。安定よりも成長をもとめる市場を象徴している。

トヨタでさえ、EV車で出遅れれば、10年後35年後はどうなっているか分からない。日本という枠を超えて国際競争力があり、革新を起こせるような企業への注目が高そうだ。

10年、35年後の日本企業のランキングを楽しみにしたい。

文/編集・dメニューマネー編集部

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