「自分の死後、スマホがどうなるか」を考えたことはないだろうか。ある調査によると、半数以上が「中身を見ずに処分してほしい」と答えたというが、納得する人は多いだろう(プラネット「終活に関する意識調査 」、2019年)。
たしかにスマホの中身は誰にも見られたくないかもしれないが、実際に中のデータが見られないと、遺族が困ることになるかもしれない。
故人のスマホを遺族が見られなくて困るのは「スマホが財布だから」
キャッシュレス化が急速に進む今、スマホは「財布」と呼べるほど、各種のデジタル資産への“カギ”となっている。
電子マネーにせよポイントにせよ、スマホの中にあるわけではないが、各種のサービスはスマホをひもづけて使われることが多く、スマホがあるから使えるように(あるいは、スマホがないと使えなく)なっている。
まず「電子マネー」は、SuicaやPASMOなどの交通系電子マネーのほか、d払いやPayPayなどの残高が残っている人は少なくない。残高を残したまま亡くなると現金と同じく相続財産になる可能性がある。
各種の「ポイント」も同様だ。dポイントや楽天ポイント、Vポイントなどは、ポイントカード機能をスマホに集約している人も少なくないだろう。ちなみにdポイントなどのポイントは亡くなったら無効になる ことが多いようだ。
このほかにも、「株・FX」の取引はスマホでしている人も多く、スマホがないとすぐにデータが見られない可能性がある。ただこうした金融取引については、もしエンディングノートなどを作る場合、銀行口座と同様に証券口座のアカウントやパスワードを書き忘れることも少ないだろうが、それでも処理に時間がかかると負債が大きくなってしまう可能性もある。
最近増えている困る点がサブスク
スマホが見られなくて困るのは、こうしたお金に直結したサービスだけではない。Netflixなどの動画視聴サービスのほか、語学学習やレシピ検索などのアプリも、有料の場合はサブスク契約であることが多いため、ネットで契約状況がすぐに分からないと遺族は困るだろう。
こうしたサービスは契約の解除を申し出ない限り、支払いは止まらない。支払い方法となっているクレジットカードや口座が凍結されて解除になることもあるかもしれないが、その場合も延滞金などがかかるリスクがある。
業者にスマホのロック解除を頼むと20万円かかるとも
死後に遺族が困らないようにするは、スマホが開けるようにしておくのが良いだろう。エンディングノートを作るほうが良いだろうが、せめてスマホのパスワードを書いたメモを分かるところに保管してくだけでもいい。
パスワードなどがなく起動できないスマホのロックを解除するには、業者に頼むと20万円以上かかるとか、確実に開けられるとは限らないなどと言われる。
今やスマホは、電話番号や写真が保存されているだけではない。スマホでこそアクセスしやすいデジタル資産への重要なカギだ。デジタル遺品を遺族が把握するためにも、自分の死後にスマホが開けるようにしておいたほうがいいし、親のスマホが心配なら、一度話をしたほうがいいだろう。
文/編集・dメニューマネー編集部
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