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【新NISA・初心者向け】「長期投資では動かせないお金が積み上がる」問題を解決する方法

2024/02/01 05:00

今年始まった新NISA口座では、年間240万円分が成長投資枠で投資できますが、これは一般家庭にするとかなり多額です。株式投資は長期でするものなので、売らずに保有し続けると、上限1200 万円まで買い増していくことになり、これは“動かせないお金”が積み上がっていくということになります。 しかし、NISA口座で高配当の株を

今年始まった新NISA口座では、年間240万円分が成長投資枠で投資できますが、これは一般家庭にするとかなり多額です。株式投資は長期でするものなので、売らずに保有し続けると、上限1200 万円まで買い増していくことになり、これは“動かせないお金”が積み上がっていくということになります。

しかし、NISA口座で高配当の株を買い、配当金を非課税で毎年受け取る形なら、“動かせないお金”ではなく、“毎年利益を生み出すお金”になるわけです(文中株価は1月30日終値)。

投資した額と同じだけ配当を受け取ることの意味

たとえばある株に100万円投資して、株価が2倍の200万円になっても、売らない限りはその利益の100万円と、もともと投資した最初の100万円も、両方使えません。なお売らずに持った状態で得ている利益のことを、評価益といい、売ってはじめて実現益として使えるようになります。

しかし、配当で受け取る利益が積み上がり、その額が投資した額と同じになればどうでしょうか。上の例では、100万円投資して、配当の受取額が100万円になれば、100万円を投資した状態のまま、最初に投資した額と同じ100万円は使えます。これは“元本回収”したと言えるでしょう。

上の例は極端ですが、新NISAの口座で240万円を投資し、利回り4%の高配当株で運用すると、毎年9.6万円の配当金がもらえます。投資した額240万円になるには25年です。

25年は短い期間ではないものの、長い老後の生活を見据えた投資であれば、多くの人が投資にあてられる時間ではないでしょうか。

このように、新NISA口座で高配当株に投資すると、金額と同じだけの額を配当でもらい、投資した金額を“回収”できる可能性はあります。

銀行の定期預金は元本が保証ですが、利回りが低く、大手メガバンクの定期預金の利率は年0.0020%なので、100万円を回収するのに6,000年以上かかります。

具体的に注目したい7銘柄

配当の銘柄はたくさんありますが、一つの基準は利回りが4%であることです。その中でも参入障壁が高い企業は、安定した業績が期待できます。

たばこ以外にも冷凍食品などにも注力しているJT <2914> (株価3,832円、配当利回り4.91%)は、高配当銘柄として知られており、株価も安定しています。

ダムなどを建設する安藤ハザマ <1719> (株価1,185円、配当利回り5.06%)は、11期連続非減配自社株買いも行っています。

このほかにも、4%には達しないものの、2期連続増配を発表したウェルネオシュガー <2117> (株価2,311円、配当利回り3.98%)は砂糖メーカーで参入障壁は高いと考えられます。

25期連続増配の三菱HCキャピタル <8593> (株価1,028.5円、配当利回り3.60%)も王道の連続増配銘柄で、配当狙いの投資家ならおさえておきたい企業です。

また、リコーリース <8566> (株価5,040円、配当利回り2.98%)は、配当利回り3%未満ですが、長期保有で100株以上3年以上保有するとQUOカード5,000円分がもらえるため配当と優待合わせて3.97%と4%に近くなります。

ポイ活にも熱心な筆者として注目しているのは、通信業のKDDI <9433> (株価4,880円、配当利回り2.87%)です。同社は5年以上、100株以上保有で3,000Pontaポイントがもらえ、配当と優待を合わせると3.48%で、しかも21期連続増配を予定しています。

同じく通信業の日本電信電話 <9432> (株価185.1円、配当利回り2.70%)は、13期連続増配をしている時価総額も大きい企業で、100株保有で5年以上6年未満になるとdポイントが3,000ポイントもらえ、ポイントがもらえる年の配当金+優待利回りは現在の1株あたり5円で試算したとしても18.90%にもなるのです。

文・谷口久美子(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部

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