2024年2月からフラット35に新しい金利引き下げメニューの「フラット35子育てプラス」が加わり、それに伴い金利引き下げのポイント制度も新しくなります。新しいフラット35のポイント制度は、子育て世帯も、そうでない世帯もお得です。
ポイント制度が新しくなり、最大引き下げ幅が年1.0%に増えた
フラット35には ポイント制度があり、「フラット35S」や「フラット35地域保全型」のような金利引き下げメニューごとのポイント数を合計して、引き下げられる金利が決まる仕組みなのですが、その引き下げ幅の上限が年0.5%から1%に大きくなります(金利が引き下げられる期間は5年単位)。
このポイントの仕組みで(付与されるのは)、基本的には最大4ポイントまでで、1ポイントあたり金利が0.25%下がります。
これまで、引き下げ幅は年0.5%(消費ポイントは2ポイントで、これが5年続く。)が上限でした が、2024年2月2024年2月13日以降の資金受取分では、引き下げ幅は年1.0%(4ポイントまで消費でき、同じく5年)までになります。そして、1.0%までなら次の期間(次の5年)にポイントを持ち越さない仕組みになります。
たとえば、4ポイントの人が引き下げられる金利は、これまでの制度なら、最初の5年目までに0.5%、6年目から10年目までも0.5%でした。
しかし、新しい制度では最初の5年目までで1.0%の引き下げを受けられます。子育てプラスの対象でない人は4ポイント(1.0%)が上限なので、金利引き下げは最初の5年だけとなります。
従来は10年間の合計で1.0%分の引き下げ、今後は最初の5年で1.0%引き下げと聞くと、トータルの引き下げ幅は以前と同じ1.0%のですから、「同じじゃないか」と思われそうですが、そんなことはありません。
というのも、最初のうちに金利が下がると元本を多く減らせるからです。
たとえば、金利1.7%で3,000万円を借りて35年で返済する場合、当初5年間で1.0%の引き下げを受けるほう が、当初10年間で0.5%の引き下げ を受けるより総返済額が約30万円安くなります。
子供1人につき1ポイント、子育て世帯はポイント上限なし
さらに2月から登場の新メニュー「フラット35子育てプラス」なら、18歳未満の子供1人につき1ポイントが加算され、ポイントの上限がありません。
子育てプラス以外のメニューではポイント上限が4ポイントまでですが、「フラット35子育てプラス」対象なら5ポイント以上付くことがあるわけです。
そのため、子供の人数が多い世帯や、複数の金利引き下げメニューの条件に当てはまる世帯は、フラット35を他の世帯よりもっと有利に活用できます。
子育て世帯ならこんな金利引き下げパターンも
「フラット35子育てプラス」がどれくらい有利か、ほかのメニューと比べてみましょう。
たとえば、子供2人でフラット35地域連携型(子育て支援)を利用できる世帯で長期優良住宅に該当する家を買う場合、フラット35の金利引き下げポイントは7ポイントです。これまでであれば、4ポイントとなるケースでした。
金利1.7%で3,000万円を借りて35年で返済する場合、これまでの金利引き下げで毎月の返済額、総返済額は以下のようになります。
当初10年間(0.5%引き下げ) 8万7,510円
11年目以降 9万2,613円
総返済額 約3,822万円
一方、新しい制度では、以下のようになります。
当初5年間(1.0%引き下げ) 8万556 円
6年目から10年目(0.75%引き下げ) 8万3,416 円
11年目以降 9万858 円
総返済額 約3,697万円
新しい制度では当初5年間の返済額がこれまでより約7,000円、総返済額も100万円以上安くなります。
文・松田聡子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
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