NISAが2024年から新しくなったのをきっかけに、投資デビューした人が注意したいのは、「NISA口座以外で投資をしたことがなければ気付きにくい落とし穴」だ。実はNISA口座には「非課税」というメリットの裏に潜む落とし穴がある。
非課税のメリットは利益があってこそ
NISAを始めた理由として、「税金がかからないからお得だ」というものが多いだろうが、税金がかからないというメリットがあるのは、あくまで投資で“利益が出た”ときだけだ。
なぜなら、税金は利益に対して引かれるのであって、そもそも利益が出なかったら引かれる税金もない。つまり、非課税の恩恵を受けることはない。
そして、投資はいつも利益が出るとは限らない。投資した額よりも少なくなってしまう、元本割れする可能性がある、ということはあらためて認識しておく必要がある。
特定口座では活かせた損失がNISAでは活用できない
NISAで見落とされがちな注意点は、「損益通算」ができないということだ。損益通算とは、利益と損失が出た場合、プラスとマイナスを相殺できるというものだ。
具体的には、「投信Aで10万円プラス、投信Bで10万円マイナス」になったら、プラスとマイナスを相殺(差し引き)して利益がゼロだったということにできる。利益がないので税金が引かれない。
ただし、これはNISA口座にはなく、特定口座など課税される口座でしかできない。このため、NISA口座で損失が出ると、非課税のメリットを受けられないどころか、(特定口座のように)“損失を活かす”こともできないのだ。
NISAの特徴を活かした運用を
新NISAになり、非課税の期間に期限がなくなり、買った株などの金融商品をずっと非課税で持ち続けられるようになったので、長期でリスクを抑えた運用をすることもできるようになった。
NISAは利益が出ればいいこと尽くしなので、損失をなるべく抑えることを意識して投資すればよいだろう。
文/編集・dメニューマネー編集部