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副業で「翻訳・通訳」は稼げる?現役のフリー翻訳者が「おすすめできない」という理由

2024/02/12 07:00

副業ブームもあって、特に英語など外国語に自信がある人は、「通訳・翻訳」で稼げないかと考えているかもしれませんが、実際、フリーランスで通訳や翻訳をしている人からは「おすすめできない」という声が聞かれます。それはなぜなのでしょうか。現役で翻訳を副業としてやっている人から、「おすすめできない」という理由を3つ聞きました。 理

副業ブームもあって、特に英語など外国語に自信がある人は、「通訳・翻訳」で稼げないかと考えているかもしれませんが、実際、フリーランスで通訳や翻訳をしている人からは「おすすめできない」という声が聞かれます。それはなぜなのでしょうか。現役で翻訳を副業としてやっている人から、「おすすめできない」という理由を3つ聞きました。

理由1 TOEIC900点でもスタートライン。その上で必要なものがある

通訳や翻訳で稼げるようになるには、相応の語学力が最低限必要で、そこに専門分野の知識が必要です。

たとえば英語力ならTOEIC900点以上、英検準1級以上が必要とされていますが、これはあくまでスタートライン。TOEIC900点あれば会社員として重宝されるスキルかもしれませんが、翻訳者はその程度の語学力は持った上で、売りになる専門分野を作っています。

理由2 求められるレベルが高いわりに報酬単価は低い

英語から日本後に翻訳する場合、よくある単価は1文字7円〜11円。プロの翻訳者が1日で処理できるワード数が2,000と言われているので、日給は1万4000円から2万2000円程度です。初心者だと単価が安くなるので、実際の手取りはもっと少なくなります。

副業でよく使われているクラウドソーシングなどでは、単価が1円〜2円/ワードと低単価が多いため、副業で翻訳を選択するのはおすすめできません。

理由3 翻訳会社のトライアル試験に受からないと仕事が来ないが合格率がとても低い

フリーランス翻訳者は翻訳会社のトライアル試験を受けて、合格して初めて翻訳者として登録され、仕事を発注してもらえますが、この試験の合格率は10%~20%と言われており、プロの翻訳者でも受かるとは限らないほど難しい内容です。

そもそも翻訳会社も慣れているプロの翻訳者に仕事を振るので、時間の限られる副業の人にとっては苦労してトライアル試験に合格しても仕事が来ない、ということになってしまいます。

AI翻訳があるから大丈夫?そんなに甘くない!

最近はAIサービスが増えており、簡単な翻訳であれば機械に任せられるようになりましたが、ビジネスでの翻訳の役目は「文字の置き換えではなく、原文の意図を過不足なく相手に正しく伝えること」で、機械翻訳にみられるような“珍誤訳”は許されません。

AIを使わなくても業務を高いレベルで遂行できる翻訳者が、一部効率化するために使うならともかく、これから実績と経験を積む初心者がアテにするのは難しいでしょう。

文/編集・dメニューマネー編集部
画像・metamorworks / stock.adobe.com(画像はイメージです)