投資で資産を増やしたい

【投信】NISAで皆は何を買っている? SBIとマネックスの1月のランキングを比べてみた

2024/02/09 05:00

新NISAが始まり、注目を集めているのはeMAXIS Slimのシリーズで、特に全世界株式(オール・カントリー)、通称“オルカン”です。業界最大手のSBI証券(SBIホールディングス <8473>)や、マネックス証券(マネックスグループ <8698> )の1月の積立設定金額のランキングではどちら

NISAが始まり、注目を集めているのはeMAXIS Slimのシリーズで、特に全世界株式(オール・カントリー)、通称“オルカン”です。業界最大手のSBI証券(SBIホールディングス <8473>)や、マネックス証券(マネックスグループ <8698> )の1月の積立設定金額のランキングではどちらもオルカンが上位に入り、その他は好調な日本株投信が並びますが、微妙な違いもあるようです。果たして、他の投資家はどんな投信を買っているのでしょうか?

SBIはトップ10にeMAXIS Slimが5本ランクイン

SBI証券の1月のNISA「積立設定金額」のランキングを見ると、上位3投信は前月と同じ、オルカン、S&P500のeMAXIS Slimコンビと、SBIのS&P500投信でした。

NISAの成長投資枠・つみたて投資枠をあわせた、積立設定金額のトップ10は次の通りです。

順位 ファンド名(運営会社)

1 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(三菱UFJアセット)
2 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)(三菱UFJアセット)
3 SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(SBIアセット)
4 iFreeNEXT FANG+インデックス(大和アセット)
5 SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)(SBIアセット)
6 <購入・換金手数料なし>ニッセイ NASDAQ100インデックス・ファンド(ニッセイアセット)
7 SBI・iシェアーズ・インド株式インデックス・ファンド(SBIアセット)
8 eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)(三菱UFJアセット)
9 eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)(三菱UFJアセット)
10 eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)(三菱UFJアセット)

トップ10をながめると、eMAXIS Slimシリーズが5本ランクイン。10本のうち米株投信が4本、世界株が2本、日本株が3本入っています。 日経平均は2023年、28%上昇するなど好調 なこともあり、日本株3本がインデックスファンドです(日経平均TOPIX)。

以上は積み立ての「金額」ですが、積立設定の「件数」のトップ10をみると、順位は多少の差こそあれ、9商品は金額のランキングと同じ。ただ唯一、iTrustインド株式(ピクテ)が9位に入っています(そのかわり、「件数」トップ10には「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」が入っていない)。

マネックスはトップ3にインド株投信

マネックス証券のNISAの「売れ筋」ランキングを見ると、上位はオルカン、S&P500と続きますが、3位にインド株投信が入っています。

なお、こちらはNISAの「売れ筋ランキング」であり、SBI証券の項で紹介した「積立設定金額」ではありません。

順位 ファンド名(運営会社)

1 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(三菱UFJアセット)
2 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)(三菱UFJアセット)
3 iFreeNEXTインド株インデックス(大和アセット)
4 <購入・換金手数料なし>ニッセイ NASDAQ100インデックス・ファンド(ニッセイアセット)
5 eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)(三菱UFJアセット)
6 iFreeNEXT FANG+インデックス(大和アセット)
7 eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(三菱UFJアセット)
8 SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(SBIアセット)
9 日経平均配当利回り株ファンド(三菱UFJアセット)
10 つみたてiシェアーズ米国株式(S&P500)インデックス・ファンド(ブラックロック)

トップ10内にeMAXIS Slimシリーズは4本、このほか大和アセットマネジメントのiFreeシリーズが2本(NEXT含む)入っています。

投資対象別では 、米株が5本、全世界・外国株(先進国)が4本、日本株が1本です。

ちなみにマネックス証券のNISA月間「積立契約件数」のランキングはこのようになっています。

1 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
2 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
3 iFree S&P500インデックス
4 iFree 8資産バランス
5 iFree 日経225インデックス
6 ひふみプラス
7 iFree 外国株式インデックス為替ヘッジなし)
8 eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
9 iFreeNEXTインド株インデックス
10 eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

マネックスのNISA売れ筋ランキングとは違いもあるようで、大和アセットのiFreeシリーズが多く入っていることや、8資産均等投資のファンドが2本も入っていることが目を引きます(8資産とは、国内株、先進国株、新興国株、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内リート、先進国リートを指す)。

ともにインド株投信が入っている

SBIの「NISA積立設定金額」と、マネックスの「NISA売れ筋」のランキングには共通点が多く、首位がオルカンであること、S&P500も含めたeMAXIS Slimシリーズが人気であることが挙げられますが、このほかにも共通点があり、それは「インド株」投信が入っていることです。

SBIの7位にSBIアセットマネジメントの「SBI・iシェアーズ・インド株式インデックス・ファンド」が、マネックスの3位には大和アセットの「iFreeNEXTインド株インデックス」が入っています。

いずれも2023年に設定された新しい投信で、純資産総額はそれぞれ332億円 、870億円 。オルカンが2.3兆円、 S&P500にいたっては3.5兆円 なので、これらと比べるとまだ小さい商品といえます。

同じインド株のインデックス投信ですが、ベンチマーク(運用目標の基準。日本株なら日経平均TOPIXなどが多い)は異なっていて、SBIのほうは「S&P BSE SENSEXインデックス」 で、マネックスのほうは「Nifty50インデックス」 です。

S&P BSE SENSEXインデックスは、インドのボンベイ証券取引所の株価指数で、30銘柄から構成。NIFTY 50は、インド国立証券取引所の子会社が算出している、インド国立証券取引所の上場50銘柄から構成されています。

投資家も、この手の売れ筋ランキングは注視しているはずで、よく売れている投信には今後も投資が集まる可能性があり、インド株への注目もより高まる可能性はあるでしょう。

文/編集・dメニューマネー編集部