鉄道会社のルールには意外と知られていないものが多く、実は当たり前にやっていたことが不正乗車になるかもしれません。「定期券を失う」、「高額な割増金を支払う」といったようなペナルティを課されぬように、以下のことを知っておきましょう。
不正行為1 定期券区間外での折り返しは不正乗車──定期券没収や「3倍の割増運賃支払い」も
定期券で区間外の電車には乗れません。たとえば、「座るために始発駅に戻って折り返す」、「時短のために特急列車で目的駅通過後、各駅停車に乗り換えて折り返す」などは、快適な通勤・通学のための裏技として使われがちです。しかし折り返し駅が定期券区間外の場合は、不正乗車に当たります。
見つかった場合は、「定期券没収」と「区間外の往復運賃の3倍の割増運賃支払い」のペナルティを受ける可能性があります。
横浜駅から元町・中華街駅への折り返し乗車が絶えず、折り返し乗車の監視と割増料金の徴収に踏み切ったみなとみらい線の例もあります。
定期券の区間を折り返し駅まで伸ばせば、不正乗車には当たりません。当然定期券代の負担は増えますが、快適な通勤のための必要経費と割り切るのも良いでしょう。
不正行為2 通学定期券は期限が残っていても卒業・退学後には使えない
通学定期券を使えるのは在学期間のみです。有効期限が残っていても、卒業し学校に籍がなくなったあと(通常は4月1日以降)に使うと、不正乗車になります。退学などで籍がなくなった場合も同様です。
JR東日本(東日本旅客鉄道 <9020>)の場合、「使用資格を失った日から発覚日までの日数×定期区間内の往復運賃×3倍の割増運賃を収受する」としています。場合によっては数万円の支払いが必要です。
定期券は通常、有効期限が1ヵ月以上残っていれば払い戻せます。卒業間近で定期券を使う頻度が減ったタイミングで、払い戻しておきましょう。
不正行為3 入場券で入った場合は電車に乗れない
入場券で構内に入ったときは、電車に乗れません。
たとえば、入場券を使って神田駅の改札を通り電車で東京駅に移動、東京駅構内で食事後に神田駅に戻って改札を出ると、不正乗車になります。改札を出ない場合でも、電車に乗るなら往復の運賃が必要です。
入場券は一定時間以上経つと、改札が開かないようになっています。駅員に声をかけられ、不正乗車であることが見つかった場合は、通常の3倍の運賃を求められることもあるため、必ず正規の切符を買いましょう。
文/編集・dメニューマネー編集部