2024年も多くの食料品の値上げが予定されており、特に5月までがラッシュのようで、その数は冷凍食品やケチャップ、菓子類など3800品目を超えるという。具体的にどの食料品がどれくらい値上りするのか、一部をみてみよう。
加工食品、調味料が大量値上げ!冷凍食品が最大13%、調味料は16%以上値上がりも
値上りする食品のうち、最も多い食品分野が加工食品で2261品目にもおよぶ(以下食品主要195社価格改定動向調査)。
たとえば冷凍食品だが、テーブルマーク(JT <2914> )のさぬきうどんは最大13%ほどの値上げが見込まれており、現在の570円(以下すべて税込み)から74円値上りし644円ほどになると予想される。
ほかにも日清製粉 <2002> はパスタソースを最大7%値上げすると発表しており、1食300円ほどの人気商品「あえるだけパスタソース逸品からし明太子」が321円になるかもしれない。
加工食品に次いで値上げ品目の多いのが調味料で、こちらは平均11%値上りするという。
なかでも値上げ幅が大きいのがトマトケチャップで、カゴメ <2811> のトマトケチャップは最大16.4%の値上がりが見込まれている。店頭価格350円の「トマトケチャップ500g」なら約407円になる計算だ。
そのほかキッコーマン <2801> のソース各種が約5%の値上がりで315円から約331円、はごろもフーズ <2831> かつお節「はごろも舞2グラム10袋」が10.2%の値上げで改定前に275円の価格が303円になるという。
お酒やお菓子などの嗜好品も15%~26%値上がり。56%値上りする商品も
嗜好品のお酒も値上り品目が多い分野で、値上げ率の平均は26%にもおよぶ。
特にウイスキーの値上がりが目立ち、たとえばサントリーの「シングルモルトウイスキー山崎700ミリリットル」は値上げ率が56%で、これまで定価4950円だったのが7700円になる。
もっとも、山崎は定価より販売価格が高騰する状況が続いており、現在1万6000円を超える金額で販売されているので、値上り後は2万5000円に迫るかもしれない。
キリンビール <2503> も洋酒の値上げを打ち出しており、「フォアローゼズ700ミリリットル」が最大17%の値上げとなる。こちらは販売価格が1900円ほどなので、値上り後は2220円ほどになると見込まれる。
山崎は4月1日から、フォアローゼズは3月1日出荷分から値上がりする。
菓子類はアイスクリーム、ガム、チョコレートなど342品目が値上りし、値上がり率の平均は15%だ。
菓子類は内容量を減らす実質値上げが多いが、実際に料金が上がる商品もあり、江崎グリコ <2206> の「Bigプッチンプリン160g」は167円から178円になる。「ジャイアントカプリコいちご」は119円から129円と、こちらは10円の値上がりだ。
菓子類は単価が低いため、商品ごとの値上がり額は小さくみえるが、消費量を考えると家計への負担は小さくないかもしれない。
2024年食料品値上げの特徴とは?
2024年も食品市場を取り巻く環境は原材料費や資材費、エネルギーコスト高騰などの影響を受けており、これが値上げの要因の一つとなっている。
また昨年に続き内容量減ではなく価格引き上げとなる商品が多いのが特徴だ。
この春の値上げはこれらの要因に加え、2024年問題といわれるトラック運転手の残業時間規制強化も影を落としている。規制の影響により物流費が上がった分のコストが価格に転嫁され、3月頃からさらに値上がりが加速するとの予想もある。
在庫がなくなり値上りした商品が店頭に並ぶのが1ヵ月後くらいとみられるので、気になる食品は早めに買っておいたほうがいいかもしれない。
文/編集・dメニューマネー編集部