自動車を運転していてエンジンなどにトラブルが生じた時に助かるロードサービスだが、最近は安い業者との間で料金トラブルが増えているという。ロードサービスというと、JAF(日本自動車連盟)や、自動車保険に付帯したものがあるが、どのように違うのだろうか。
JAF──夜間に高速で車が故障、4万円以上かかるケースも
故障で動かなくなった車のけん引をJAFへ頼むと、非会員なら基本料8380円+レッカー車での吊り上げ作業料4750円で、計算すると費用は1万3130円になる。
さらに1キロにつき730円のけん引料がかかるので、たとえば埼玉県八潮市から東京都練馬区までなら、およそ25キロで1万8250円プラスされ、合計は約3万1380円だ。
夜間の高速なら料金はさらに上がり、八潮PAから練馬区では、基本料と作業料の合計が2万4650円(1万9900円+4750円)、これにけん引料が加わると4万2900円になる。
もしもJAFの会員ならば基本料とレッカー作業料は無料だが、けん引料は15キロを超えると1キロごとに730円かかるので、このケースなら7300円だ。
ただし、自動車保険のロードサービスなら、レッカーサービスについてはすべて無料となる可能性がある。現場から届け先までの距離が100キロまでは無料でけん引してくれる自動車保険もあるので、このケースでは費用はゼロで済むだろう。
ガス欠でガソリンを届けてもらう場合は?
次にガス欠になってガソリンを届けてもらう場合はどうだろうか。
JAF非会員の料金は8380円に燃料代の実費が請求される。リッター170円のレギュラーガソリンを10リッター補給してもらうとすると1700円になるので、費用の合計は1万80円だ。ただし、JAFの会員なら実費の支払いだけで済む。
自動車保険のロードサービスはどうかというと、ガソリン10リットルまで無料で届けてくれるサービスがあり、このケースでも出費なしで済むかもしれない。
車内にキーを閉じ込めたら費用は最高1万7000円超えも
さらに、キーを閉じ込めてしまった場合を考えてみよう。
JAF非会員の場合費用は1万3130円(基本料8380円+作業料4750円)かかる。もし高速のSAやPA内なら1万5230円(基本料1万480円+作業料4750円)になり、さらに夜間だと1万7320円(基本料1万2570円+作業料4750円)まで上がる。
JAF会員であればいずれの場合も費用はかからないし、自動車保険のロードサービスでも多くは無料だ。
このほか、バッテリーが上がってJAFを呼ぶと、非会員であれば1万3130円を請求される。一般道の夜間や昼間でも高速であれば料金は1万5230円に上がり、夜間の高速なら1万7320円になる。
JAFの会員であればどのケースでも無料で対応してくれるし、自動車保険のロードサービスもバッテリーのジャンピングを無料でやってくれることが多い。
ただしその場でバッテリー交換が必要な場合は実費が請求されるので注意が必要だ。
ロードサービスで車のトラブルに備える主な方法は2つ!
急な車両トラブルによる高い出費を防ぐには、JAFの会員になるか自動車保険に加入するのが主な方法となるだろう。
JAFの場合、加入時に入会費が2000円、年会費が4000円かかる。サービスの対象が「会員」であるため、自分の車以外でもサービスは受けられる。レンタカーや他人の車を運転している最中のトラブルであってもいいわけだ。
レッカー移動やパンク対応のほか、雪道からの車両引き上げなどサービス内容も充実している。
一方、自動車保険のロードサービスの場合、保険料以外の料金は基本的に発生しない。
近年は多くの自動車保険会社がロードサービスの充実をうたっており、車のけん引からバッテリー上がり、パンク、キー閉じ込めまで多くのトラブルを無料で対応してくれることが多い。
ただし自動車保険会社のロードサービスは契約車両が対象となるため、注意すべきなのは、マイカー以外のトラブルには対応してもらえない点だ。
ただし、自分の車しか乗らない人やロードサービスにお金をかけたくない人にとっては十分満足できるサービスといえるかもしれない。
自動車保険のロードサービスを使うと等級に影響するのか?
最近の自動車保険では、故障などで走れなくなると、レッカー車で自動車整備工場などに搬送するロードサービスが付帯していることが多い。
たいていは、現場から、保険会社が指定した自動車整備工場までなら、レッカー移動は距離を問わず無料でやってくれる。
自分がいつも頼んでいる工場に移動させて欲しい場合は、距離の条件付きで(〇kmまでなど)無料となっている。
気になるのが、ロードサービスを使うと次の契約の時に等級に影響するのかということだが、「影響しない」とされているので心配する必要はなさそうだ。
ただ注意点としては、工場を含め各種のサービス業者は保険会社が契約しているため、トラブルにあった際は、自分で工場やレッカー業者に頼まず、保険会社に連絡することだ。自分で頼んでしまうと、その費用を保険会社にもってもらうのは難しい。
ある調査では、自動車保険の契約者の半数近くがロードサービスを使ったことがあるという。保険会社や契約によって、サービスの内容や無料になる条件が異なるので、保険を選ぶ際は、ロードサービスの内容で比べるといいかもしれない。
文/編集・dメニューマネー編集部