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eMAXISシリーズの新ファンドも登場、新NISAで投資するなら「インド」がいい?その理由とは

2024/02/29 05:00

オルカンやS&P500が人気の投信シリーズ・eMAXIS(三菱UFJアセットマネジメント)に2月22日、インド株に投資する「eMAXIS インド株式インデックス」が設定された。同シリーズで、特定の国の株価指数を参照するインデックスファンドは、日本、アメリカに次いで3番目で、新興国では初めて。新NISAの「成長投

オルカンやS&P500が人気の投信シリーズ・eMAXIS(三菱UFJアセットマネジメント)に2月22日、インド株に投資する「eMAXIS インド株式インデックス」が設定された。同シリーズで、特定の国の株価指数を参照するインデックスファンドは、日本、アメリカに次いで3番目で、新興国では初めて。新NISAの「成長投資枠」対象ファンドでもある。

今、インドが世界の株式市場で注目を浴びている。なぜインドなのか。その魅力とインド株に投資する投資する方法とは──。

アジア市場の時価総額で日本がトップ、インドが3位に

アジアの株式市場ではこれまで中国・上海市場の時価総額が一番高かったが、2月19日に日本の時価総額(東証に上場する企業全体の時価総額)が2020年7月以来、アジアトップとなった(国際取引所連合=WFEによる)。同様に、インドにも投資資金が流れ込んでおり、インドの国立証券取引所の時価総額は中国の香港、深圳市場を抜いてアジアで東京、上海に次ぐ3位になっている。 中国の景気減速で、アジア内で中国株売り・日本株買いの資金シフト、インドへの資金流入が起こっているようだ。

インド株は過去10年で3.4倍!年平均13%、8年連続上昇

インド国立証券取引所(NSE)に上場する50銘柄で構成されたNifty50の2023年の年間上昇率は、20%で、8年連続の上昇だった。過去10年で3.4倍、年平均では約13%上げている。

インド株高の理由は、インド経済の成長性にある。

1人当たりGDPは、1990年代が374ドル、2000年代が728ドル、2010年代は1655ドルと10年ごとにほぼ倍増。2020年代は2904ドルと、さらに倍増近い成長をIMFは予想している。経済成長する国の株価は、上がることが多い。

インドの人口は14億人を超えた。国連の推計によると2023年には中国を抜いて世界一となる見込みである。豊富な労働力と巨大な消費市場が経済成長の原動力だ。

今後もインド株に注目の理由

インド株が今後も注目されるであろう理由は、2月に実施されたMSCIグローバル・スタンダード指数の組入比率の見直しにある。中国株の比率が下がり、インド株の比率が高まったのだ。

MSCI指数をベンチマークにしている世界株に投資するファンドは、MSCIグローバル・スタンダード指数をベンチマーク(指標)にしているため、インド株を買い増しする必要があることを意味する。

今回の見直しでインド株のウエートを17.9%から18.2%に引き上げた。あくまでも新興国の中でのウエートだが、過去最高だ。過去3年ほどで約2倍に上昇した。

オルカンで有名な「eNAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)ファンド」は2024年1月末のインド株の組入比率が1.7%だが、今後、インド株の比率が高まるだろう。

インド株のETF、NISAの投資対象

気になるのが、インド株の買い方だろうが、実は日本の証券会社では個別株の売買できない。インドに投資する一番簡単な方法は、上場投資信託ETF)で「インド株式Nifty50連動型上場投信(1678)」を買うことだ。株と同様に売買でき、10株単位なので3000円台から投資できる。

上場投信以外では、投資信託(非上場) に、インド株ファンドが多い。新NISAのつみたて投資枠で認可されているのは、ピクテ・ジャパンが運用するiTrustインド株式」のみだ。冒頭で紹介した「eMAXIS インド株式インデックス」は成長投資枠でなら買える。

このファンドと同様に、成長投資枠なら多くのインドファンドが買える。現在、純資産残高でトップ5のインド株ファンド(中国・インド型を除く)には、以下がある(2024年2月21日時点)。

ファンド名(運用会社)純資産

ノムラインド株投資(野村アセット)4371億円
インド株式オープン(イーストスプリング)2517億円
インド消費関連(イーストスプリング)1866億円
ダイワ・ダイナミック・インド株(大和アセット)1827億円
新光ピュア・インド株式(アセットマネジメントOne)1595億円

NISAの始まった1月の投信の純資産総額は、2370億円増えたという(ブルームバーグ)。うち約1400億円がインド株投信の買いだったようだ。

NISAで話題になっているのは米国株や日本株だが、インド株の投資チャンスにも目を向けるとよいかもしれない。

文/編集・dメニューマネー編集部

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