教育資金をつくる

教育ローン返済額が10年で20万円以上変わる?教育ローンを選ぶ3つのポイントとは

2024/03/05 07:00

子供の進学で気になる学費を借りる際、教育ローンの選び方を間違えると返済額が21万円も増えてしまう可能性がある。借入額や返済方法など各家庭の事情によって変わる教育ローンを選ぶときのポイントをいくつかあげてみよう。 ローン選びのポイント1 変動金利か固定金利か 教育ローンの選択肢には大きく国の教育ローンと民間の教育ローンの

子供の進学で気になる学費を借りる際、教育ローンの選び方を間違えると返済額が21万円も増えてしまう可能性がある。借入額や返済方法など各家庭の事情によって変わる教育ローンを選ぶときのポイントをいくつかあげてみよう。

ローン選びのポイント1 変動金利か固定金利か

教育ローンの選択肢には大きく国の教育ローンと民間の教育ローンの2つがあるが、教育ローンを選ぶポイントはこれだけではなく、まず金利のタイプが変動金利なのか、固定金利なのかは返済額に直結する重大なポイントだ。

返済額を少なくしたいなら、現状では一般的には変動金利を選ぶほうがいいだろう。

民間金融機関の変動金利は1.5〜3.5%程度のところが多いが、固定金利だと2.0%〜4.5%におよぶ。

たとえば千葉銀行 <8331> の「ちばぎんスーパー教育ローン<学生生活>」は変動金利で年利1.3%~2.6%だが、固定金利である大阪信用金庫の「DO教育ローンWEB完結型」は年利1.58%~4.5%だ。

もし200万円を返済期間10年で借り入れるとすると、金利2.6%では総返済額は227万3400円だが、4.5%では248万7320円になる。その差は21万3920円だ。

固定金利のローンで忘れてはならないのが日本政策金融公庫の「国の教育ローン」だ。

固定金利だが金利は2.25%と低めに設定されている。上と同じ条件で借り入れのシミュレーションをすると、金利2.25%なら総返済額は223万5290円で済む。

ただし、借り入れの上限額が350万円なのと、子供1人なら世帯収入790万円までなど利用制限がある点には注意が必要だろう。

変動金利は金利の低さが魅力だが、リスクとして市場の金利が上がると返済額が増えるという点がある。返済額が変わることに不安がある人は、固定金利も選択肢に入れていいかもしれない。

ローン選びのポイント2 一度に借りるか、その都度借りるか

教育ローンは借り方でも2つに大別され、一括で借りるタイプは「証書貸付型」、必要な額だけその都度借りるタイプは「カードローン型」などと呼ばれており、どちらを選ぶかは借入れに必要な金額が決まっているか、そうでないかが影響する。

証書貸付型のメリットは、金額がはっきりするので計画的に返済計画をたてられることだが、逆にデメリットとして、すべて使わなかったとしても利息も含めて全額返済しなければならないということが挙げられる。

一方のカードローン型のメリットは、必要な金額だけ借入れができるので余分な利息を払わずに済むが、デメリットはさらに借り入れが必要になった場合は新たに申し込みをする必要があることだ。

なお多くの金融機関では両方のタイプを用意している。

横浜銀行 (コンコルディア・フィナンシャルグループ <7186> )の「横浜銀行教育ローン」には証書貸付型とカードローン型のどちらもあるが、金利は証書貸付型が0.9%〜2.9%、カードローン型は1.7%〜2.9%とカードローン型のほうが少し高い。

もし200万円を金利2.9%、返済期間10年の証書貸付型で借りた場合と、150万円を同条件で借り入れ、後から50万円を同じ金利の7年返済で借りると、どのくらい違いが出るだろうか。

証書貸付型では総返済額が230万6390円、カードローン型では228万2850円(150万円分が金利2.9%・返済期間10年で、総返済額172万9790円、50万円分が金利2.9%・期間7年で、総返済額が55万3063円のため)となり、カードローン型のほうが2万3540円だけ安くなる。

様々な条件によって違うケースも出てくるだろうから、実際に選ぶ際にはしっかりとしたシミュレーションが必要だろう。

ほかにも2つの借入れタイプのある金融機関には常陽銀行(めぶきフィナンシャルグループ <7167> )の「常陽教育ローン学援生活」や、りそな銀行(りそなホールディングス <8308> )の「りそな教育ローン」などがある。

ローン選びのポイント3 在学中も返済するか、卒業してから返済するか

教育ローンの返済方法の一つに在学中は利息だけを支払い、元金は卒業してから返済をスタートする「元金据え置き」があり、その特徴としては、在学中の支払いを据え置いてもらうので在学中の負担を少なくできる一方で、支払い利息は増えるので総返済額は高くなる点がある。

元金据え置き型の教育ローンには、スルガ銀行 <8358> の「元金据置型カードローン<教育プラン>」があり、金利は1.7%、2.7%、3.7%のいずれかが適用される。

このローンで据え置き期間4年、金利3.7%で200万円を借りると、据え置き期間の返済額が30万1632円で、その後9年(107回)に渡って235万4000円を返済することになり、総返済額は265万5632円になる。

これを“据え置き期間なし”で9年間の返済にすると、総返済額は235万4499円になるので、この点だけ単純に比べると、元金据え置き型のほうが30万1133円増えるという計算になる。

返済額は増えるものの、子供にも返済を負担させる計画であれば検討の余地はあるだろう。

教育ローンを借りるなら、入学先が決まってから慌ただしく決めるのではなく、前もって検討しておいたほうがよいだろう。

文/編集・dメニューマネー編集部