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マイホームを買った!「税金対策」にイデコもやったほうがいいのか

2024/03/06 05:00

イデコ(iDeCo)を節税目的で検討している人も多いだろうが、住宅ローン控除を利用している場合、節税効果が得られないケースがあるので注意が必要だ。家の購入を考えている人は、イデコをどう活用すればいいのだろうか。 節税目的なら住宅ローンで十分? 会社員がマイホームを買った場合、節税対策は住宅ローン控除でいいと言われること

イデコ(iDeCo)を節税目的で検討している人も多いだろうが、住宅ローン控除を利用している場合、節税効果が得られないケースがあるので注意が必要だ。家の購入を考えている人は、イデコをどう活用すればいいのだろうか。

節税目的なら住宅ローンで十分?

会社員がマイホームを買った場合、節税対策は住宅ローン控除でいいと言われることがあるが、これはなぜなのだろうか。

そもそも住宅ローン控除とは、住宅ローンを使って家を買ったとき、「年末時点での住宅ローンの残高の0.7%」が、入居してから最長13年間、給与などから納めた所得税や住民税から控除される制度のことだ(返済期間が10年以上などいくつかの条件がある)。

たとえば年収を500万円の会社員の例を考えると、所得税が約13万円。2000万円の家を買えば住宅ローン控除で所得税が全額還付される計算になる。2024年末までに新居に入居すれば、控除額は年間で最大14万円だからだ。これは通常の住宅の場合で、省エネ基準に適合している住宅などだと、控除額は高くなる。

なお、物件価格が5000万円など、2000万円よりも高い場合は、所得税ではなく住民税から引かれる仕組みになっている。

ローンを使って住宅を買った人は、節税を目的とするなら、無理にイデコでの積み立てなどを使ったりする必要はないということになる。

住宅ローン控除だけでは節税が十分ではない場合もある

しかし、上でも触れたとおり、住宅ローン控除は年末の借入残高に対して0.7%が上限で、、最長でも13年しか適用できないので、節税対策として住宅ローン控除だけでは足りないケースも出てくる。

たとえば、(ローンを当初2500万円以上組んでいて)5年後に借入残高が2,500万円に減っており、年収が600万円に増えていたら、所得税は全額還付されない。

なぜなら、控除上限額は17.5万円であるにもかかわらず、所得税が約20万円に増えているからだ。

そこでイデコを併用することで、還付されない部分の税金を取り戻せる。

イデコの掛け金は定期的に見直したほうがいい

イデコは個人型確定拠出年金で、自分で掛け金や運用先を決め、60歳以降に年金として受け取るもの。掛け金が全額が控除の対象となり、所得税と住民税が軽減される制度。家を買って住宅ローンを返している人でも、イデコを併用することで高い節税効果を得られるが、上で紹介したケースのように、年収が増えるなど状況が変われば税額も変わるため、自分が支払う税額によって、掛け金を変えるなどしたほうがよい。

しかし、ここ10年ほどのイデコの1人当たりの掛け金を見ると年間15~17万円のままで増えていない。これは1ヵ月にすると1.25万〜1.41万円ほどだ。

会社員で勤め先に企業年金がない場合、最大で月2万3000円まで掛け金を設定できる。支払う税金が増えたら、掛け金を増やすことで節税効果が高められる。

イデコは掛け金の運用先を自分で決めておこなう投資でもあるため、リスクがないわけではないが、節税効果は大きく、また「将来、公的年金だけだと不安」という心配も解消してくれる商品でもある。

昇進や給与アップ、転職、子供の進学(扶養)などの際に、面倒くさいと思わずに加入状況を見直すとよいだろう。

文/編集・dメニューマネー編集部