「ドラゴンボール」「ドクタースランプ」などで知られる人気漫画家・鳥山明さんが亡くなっていたことが3月8日、分かった。ドラゴンボール公式サイトで明らかにされたもので、ドラゴンボールなどに出演した声優や、ジャンプ連載中の人気漫画家など、各界から惜しむ声が多数上がっている。
訃報はドラゴンボール公式サイトで DB声優も追悼
訃報はドラゴンボール公式サイトで8日に公開された。「ファン、関係者の皆さまへ」と宛てられた声明文の中で、「漫画家・鳥山明は2024年3月1日、急性硬膜下血腫により永眠しました。68歳でした」と報告されている。
鳥山氏は1955年4月5日生まれ、名古屋市出身。1978年に『週刊少年ジャンプ』(集英社)52号掲載の「ワンダー・アイランド」でデビュー。「ドラゴンボール」や「ドクタースランプ」などの漫画のほか、人気ゲーム「ドラゴンクエスト」のキャラクター・モンスターデザインでも知られ、世界中に熱狂的なファンが存在する。
訃報に対し、ピッコロ役で知られる声優、古川登志夫氏がX(旧ツイッター)で、「「公開直前の【ドラゴンボール超スーパーヒーロー】試写会でお会いしたのが最後となりました。謹んで哀悼の意を表します」などと述べた。
このほかにも、「ONE PIECE」の尾田栄一郎氏、「ウイングマン」「I"s(アイズ)」の桂正和氏、「NARUTO -ナルト-」の岸本斉史氏らが集英社のサイトを通じて追悼コメントを発表している。
尾田氏は追悼文の中で、「漫画家に限らずあらゆる業界で活躍するクリエイター達の少年時代にドラゴンボール連載当時の興奮と感動が根付いているでしょう。その存在は、大樹です。」などと述べている。
「ドラゴンボール」の市場規模・経済効果は?
そんな「ドラゴンボール」は、1984年(51号)から1995年(25号)まで年に週刊少年ジャンプで掲載された作品。TVアニメ化、アニメ映画化されたほか、実写映画にもなっている。
その経済規模については、いろいろな説があるが、年間で5000億円との指摘もあるほか、シリーズ関連の20作目となる映画『ドラゴンボール超 ブロリー』が北米で公開された際には、アメリカのメディアがその市場規模について、230億ドル(約2兆5000億円)との見積もりを紹介している。
「ドラゴンボール」のIPをビジネス展開しているのは、バンダイナムコホールディングス <7832> 。発表資料によると、同社のIP別の売上高で「ドラゴンボール」シリーズが堂々トップだという。
2021年度の売上高は、1276億円で、2位は「機動戦士ガンダム」シリーズの1017億円とともに、1000億円を超えているのはこの2シリーズのみだ。さらに、2023年3月期では、13.2%増の1445億円となっている。
なおこのほかでは、「アンパンマン」が99億円、「仮面ライダー」が321億円、「スーパー戦隊」が65億円、「プリキュア」は56億円。同じくジャンプ連載の「NARUTO -ナルト-」が187億円であることを考えても、「ドラゴンボール」の人気ぶりがうかがえる。
現在、「SAND LAND」を展開中
鳥山氏が手掛けた作品では、昨年、「SAND LAND」をアニメーション映画化されている。これは2000年に発表された名作だ。
今月20日からディズニープラスで世界配信されるほか、4月25日にはゲーム版(プレイステーション4、5)も発売される予定だ。
鳥山氏が残した作品がこれからも長く愛され続けるのは間違いない。
文/編集・dメニューマネー編集部