ちょうどこれから引っ越しや模様替えのシーズン。このタイミングで、自宅の防災を意識して少しでも安全な家・部屋作りをしておきたいところです。防災士の有資格者にそのコツを聞きました。
地震の怪我の3〜5割が家具の転倒・落下──転倒防止はこれをやろう
家具類が倒れると怪我などの危険があるため、L型金具などとネジで壁や床に固定しましょう。ここ10年ほどで起きた大きな地震で怪我をした人のうち約30~50%が、家具類の転倒・落下・移動が原因といわれています。
賃貸住宅や冷蔵庫など、L型金具の取り付けが難しい場合は、天井の間につっぱり棒をはさむなどするとよいでしょう。電子レンジやテレビなどは下に粘着マットを敷いて転倒しないようにしておきましょう。
自治体によっては、家具転倒防止グッズを無償で支給する制度があるので、自治体のウェブサイトなどで確かめてみるとよいでしょう。
玄関・廊下・ドア周りをチェックしないと閉じ込められてしまう
玄関・廊下・ドアの前、近くにはなるべく物を置かないようにしましょう。閉じ込められてしまい、屋外、室外に逃げられなくなるからです。ドアの目の前でなくても注意が必要です。倒れたり動いたりして、ドアが動かなくなる場合があるからです。
やむを得ず家具を置く場合は、家具の正面(倒れる向き)と出入口および通路が重ならないようにしましょう。また、玄関に置く靴も最小限にすれば、通りの妨げになりにくいです。
暖房・電気器具からの出火を防ぐにはこれをしよう
暖房・電気器具の近くにも家具類を置かないようにしましょう。本などが棚から落ち、ストーブのスイッチが入ったり、火が着いたりする恐れがあるからです。また家具が転倒してコード(ケーブル)が傷み、ショートを起こして火災になる危険もあります。
延長コードにも寿命があり、一般に3〜5年といわれているため、古いコードは買い替えを検討しましょう。
その他、ガラスの飛散防止フィルムやテーブル・イスの滑り止め防止マットの設置、転倒防止のため、食器棚や本棚の重い物を下の段に移してもよいでしょう。
これらの防災対策は、やろうと思っていても、つい後回しにしがちです。引っ越しや模様替えなどの際に、あわせてやっておくとよいでしょう。
文/編集・dメニューマネー編集部