投資で資産を増やしたい

NISAで米株投資したい?「アメリカ企業への投資」で初心者が解消しておきたい3つの疑問

2024/03/19 05:00

昨年まで、つみたてNISAをしていた投資家が、今年新NISAで成長投資枠が使えるようになったのを機に、アメリカの企業にも直接投資したいという人が増えてきているようだ。特にS&P500などに投資していた人は、「次はアメリカの個別銘柄を」考えても不思議はない。ただ、米国株には日本株にはない、“ならでは”の特徴もある

昨年まで、つみたてNISAをしていた投資家が、今年新NISAで成長投資枠が使えるようになったのを機に、アメリカの企業にも直接投資したいという人が増えてきているようだ。特にS&P500などに投資していた人は、「次はアメリカの個別銘柄を」考えても不思議はない。ただ、米国株には日本株にはない、“ならでは”の特徴もあるため、損することのないよう疑問は解決しておこう。

前提として米国株投資は日本株投資とどこが違うのか

日本株は基本的に100株単位だが、米国株は1株から買えるので、少ない資金でも投資ができる。日本株も1株から買えるようになってはいるが、多くの企業が優待や配当を100株以上の投資家を対象にしており、100株買うにはまとまった資金が必要だ。

取引時間についても日本と異なる。米国市場の取引時間帯は、現地時間で午前9時30分から午後4時(16時)だが、日本時間でいえば午後11時半から翌午前6時だ。なお、3月11日からサマータイムになっているので、午後10時半から翌5時まで。いずれにせよ夜中に取引が行われるので、リアルタイム取引は難しいだろう。

さらに、米国株には「ストップ高ストップ安」といった値幅制限がない。日本株にはこの仕組みがあり、たとえば前日の終値が500円なら、ストップ高は600円、ストップやすは400円。これ以上・以下にはならない(制限値幅が100円)。それがない米国株では、大暴落しても歯止めがきかないので、朝目覚めたら株価がとんでもないことになっていた……ということも起こり得る。

疑問1 米国株はNISAで買える?

まずNISAで米国株が買えるかどうかというと、成長投資枠なら日本株と同様に買うことができる。実際にNISAで買われている人気銘柄には、テスラやアップルなどの米国個別株も名を連ねている。

つみたて投資枠で米国株に投資したいなら、S&P500やNYダウに連動するインデックス型の投資信託を買うことになる。間接的ではあるが、米国株に投資できる。

疑問2 株主優待はある?

日本株では株主優待を楽しみに投資する人も多いが、米国株にはそれがない。そのかわり、高い配当金を出すことで株主に還元してくれることが多い。

米国株の中には「配当貴族」と呼ばれる毎年配当金が増えている銘柄も多く、有名なコカ・コーラ(KO)は61年連続で増配しているという。その予想配当利回りは3.21%、10万円買えば年に3,210円配当が出る計算だ。

ただし気を付けたいのが「税金」だ。米国株から出た配当金は、アメリカで10%の税金が引かれた後、さらに日本で所得税・住民税(20.315%)が引かれることになる。つまり、二重に税金がかかることになるのだが、確定申告をすればアメリカでの税金は戻ってくる。

NISA口座を使えば国内の税金が非課税となるので二重課税にはならないが、確定申告は対象外なのでアメリカで引かれた税金は還ってこないことに注意しよう。

疑問3 円安で買って儲かる?

米国株は、いったん円で米ドルを買ったうえでの投資となるので、円安の今ドルを買うのに抵抗がある人もいる。事実、円安局面で米国株を買うと、株価は変わらなくても円高に進むことでマイナスになり得るのだ。しかし為替の変動以上に株価が上昇すれば、為替の差損はカバーできる。

たとえば、1ドル150円のときに株価が100ドルの銘柄を1株買ったとして、それが1ドル140円になると(=円高に進むと)株価が変わらなければ1万5000-1万4000=1000円のマイナスとなってしまう。

しかし仮に、株価が1株110ドルに値上がりすれば、1ドルが140円であっても株の評価額は1万5400円となり、為替の差損をカバーしプラスに転じるのだ。

なお、「大統領選のある年は株価が上がる」という経験則もあり、今年は米国株に期待ができる年だ。円安という理由だけで踏みとどまっているのはもったいないので、株価の動きにも注目し、配当金や成長性といった米国株のメリットを受けよう。

文/編集・dメニューマネー編集部