2024年からの新NISAで、つみたて投資枠と成長投資枠の両方が使えるようになり、昨年までつみたてNISAだけやっていて、投資信託しか買えなかった人も、成長投資枠で個別銘柄・企業への投資を考えるようになっているようです。NISAの成長投資枠を使いたいと考えているなら、初心者が疑問に抱くことを早めに解消しておきましょう。
疑問1 成長投資枠でも投信は買えるの?
NISAの成長投資枠では、株しか買えないと思っている人がいるかもしれませんが、「投資信託」も買えます。
つみたて投資枠で買えるのは投資信託(ETFも)だけですが、だからといって、成長投資枠が株しか買えないわけではなく、投資信託やETF、REITなども買えます。
また、つみたて投資枠で買える投資信託は約270本の限られた種類のみですが、成長投資枠で買える投資信託は2000本近くあります。
2023年の後半から人気のあるインド株式のインデックス型投資信託も、成長投資枠なら証券会社が取り扱う銘柄を買えます。
疑問2 成長投資枠では国債は買えないの?
成長投資枠で「個人向け国債」も買えるかというと、残念ながら個人向け国債や社債は買えません。
NISAでは債券を直接買うことはできないのです。また、つみたて投資枠で買える投資信託には、“債券だけ”に投資する商品はありません。つみたて投資枠で債券に投資したい人は、債券にも投資しているバランス型ファンドを選ぶことになります。
しかし、成長投資枠であれば、日本や外国の“債券だけ”に投資している投資信託を買えます。
疑問3 成長投資枠でも積み立てはできるの?
成長投資枠というと株の現物取引だけと思うかもしれませんが、成長投資枠は通常の取引も積立投資もどちらもできます。
そのため、投資信託も積み立てでも一括でも買えるのです。同じ商品を毎月1万円ずつ積み立てて、ボーナスをもらったら10万円分追加で買うということもできます。
疑問4 優待・配当はもらえるの?
NISAの成長投資枠で株を買った場合でも、配当も株主優待ももらえます。
NISAで買った株でもらった配当には税金はかかりません。ただし、配当金の受け取り方法を証券会社の口座へ入金される「株式数比例配分方式」にしておかなければなりません。配当金の受け取り方法は途中で変えられるので、他の受け取り方法にしている人は変更しておきましょう。
成長投資枠は「配当や株主優待のために同じ株を長く持ち続ける」というような使い方もできるのです。
疑問5 つみたて投資枠を使わないで成長投資枠だけを使えるの?
NISAではつみたて投資枠と成長投資枠が一つの口座にありますが、両方の枠を使わなければならないわけではなく、どちらか一つだけ使うこともできます。つみたて投資枠を使わなければ成長投資枠を使ってはいけない、という決まりもありません。
「成長投資枠だけで積立投資」「株だけ買いたいからつみたて投資枠は使わない」といった活用方法も自由にできます。
成長投資枠のメリットは、つみたて投資枠よりできることが多く、「ちょっとやってみたいな」という投資を気軽に試せる点でしょう。
文・松田聡子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部