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S&P500に20年前に投資していたら? コロナ禍、リーマンショック、チャイナショック……

2024/03/21 05:00

日経平均株価が34年ぶりに史上最高値を更新したが、裏を返せば34年前の水準に戻っただけとも言え、一方の米国株を代表するS&P500指数に注目をすると、1989年12月末時点と比較して2024年2月末時点で約14.4倍も上昇している。 この30年を振り返ると、「長期投資をするなら米国株のほうが報われそう」ではあ

日経平均株価が34年ぶりに史上最高値を更新したが、裏を返せば34年前の水準に戻っただけとも言え、一方の米国株を代表するS&P500指数に注目をすると、1989年12月末時点と比較して2024年2月末時点で約14.4倍も上昇している。

この30年を振り返ると、「長期投資をするなら米国株のほうが報われそう」ではあるが、20年前に投資をしていたら、あるいは10年前に投資をしていたらどのくらい儲けられたのだろうか?

株はショック時に買う コロナからはすでに2倍

株式投資の世界には「悲観で買い、楽観で売る」という相場格言がある。悲観とは、リーマンショックやチャイナショックなど、相場が一時的に大きく下がる局面と捉えていいだろう。つまり、相場が大きく下がったときに「買い」というわけだ。

そこで、直近20年で起こった株式市場のショック時の底値でS&P500を買った場合の、直近高値(2024年3月8日)の上昇率を振り返っていく。

コロナショック(2020年3月→2024年3月で2.4倍)

・20 20年2月高値……3393.52
・2020月3月安値……2,191.86(高値からの下落率▲35.4%)
・2024年3月高値……5189.26

チャイナショック(2015年8月→2024年3月で2.8倍)

・2015年5月高値……2,134.72
・2015年8月安値……1,867.01(▲12.5%)
・2024年3月高値……5189.26

リーマンショック(2009年3月→2024年3月で7.8倍)

・2008年5月高値……1440.24
・2009年3月安値……666.79(▲53.7%)
・2024年3月高値……5189.26

ITバブル崩壊(2001年9月→2024年3月で5.5倍)

・2000年3月高値……1,552.87
・2001年9月安値……944.75(▲39.2%)
・2024年3月高値……5189.26

結果論で言うのは簡単で、底値を買うのは難しい。

しかし、過去最大級のITバブル崩壊やリーマンショック時ですら、1〜1年半で底打ちしている。20〜30年の長期運用をNISAなどでつみたて投資できるなら、1〜2年の調整はむしろいい買い場だ。下げている局面こそ買い続けるのが有効な戦略だ。

ショックで買えなくても10年、20年の高リターン

そうは言ってもショック時に買うのが難しいという人もいるだろう。S&P500を単純に10年前、20年前に買った場合でも次の通り、2倍以上になっている。

・2014年2月末比…… 2.7倍
・2004年2月末比……4.5倍

ちなみにTOPIX を10年前、20年前に買っていた場合、20年間のパフォーマンスはS&P500に遠く及ばない結果となった。

・2014年2月末比……2.3倍
・2004年2月末比て2.5倍

株式投資は、国や企業の成長に狙いをつける

S&P500を買うには投信かETFが便利だ。たとえば、S&P500のETFとして有名なスパイダー(SPDR)S&P500 ETF(ティッカー:SPY)は、1993年に設定された米国初のETFだ。資産残高は 5000億ドル(約75兆円)と世界一のETFである。

過去の20年と今後の20年の動きが同じになるとは限らない。

しかし、株式市場は基本的に、国や企業の成長を見極めてお金を投じるものだ。現状では、日本より米国の経済成長力は高く、米国企業の稼ぐ力は日本企業を上回っている。AIでもEVでも次世代テクノロジーでアメリカがリーダーだと思うなら、S&P500に注目したほうがいいということになるだろう。

文/編集・dメニューマネー編集部