ネスカフェやキットカットで知られるスイスの世界的食品メーカー・Nestlé(ネスレ)。特にキットカットは、パッケージに応援メッセージを書けるため、受験や仕事を頑張っている子供や友達、同僚に渡す需要が高まるようだ。そんなネスレの社名の由来が何か、分かるだろうか?
日本法人は昨年、創業110年
今のネスレにつながるのは、1866年に米国人のチャールズ&ジョージ・ページ兄弟がスイスで始めた練乳(コンデンスミルク)の製造と、1867年にドイツ生まれの薬剤師がスイスで始めた乳児用乳製品の生産の事業。
ページ兄弟は、アングロ・スイス煉乳会社を設立、ヨーロッパ初となる煉乳生産工場を造り、「ミルクメイド」ブランドを掲げて、ヨーロッパ工業都市へ製品を供給していた。
一方、乳児用の乳製品を生産していたのが、ネスレの創業者であり、ドイツ生まれの薬剤師であったアンリ・ネスレ氏(1814-1890)。製造・販売していた商品は、小麦粉、砂糖を混ぜ合わせ製造されたもので、乳幼児の高い死亡率を解決するために開発したという。
両社は1905年に合併、ネスレ・アングロ・スイス煉乳会社が設立。ネスレの日本支店は1913(大正2)年に横浜で開設、1922年に神戸に移転されている。
ネスレは創業者の名前だが、“鳥の巣”を意味するといい、同社のコーポレートロゴには今も鳥の巣マークがついている。これはネスレ家の家紋であり、創業当時から手掛けていた乳児用シリアルにも、鳥の巣マークが付けられていた。
なお、キットカットはイギリスのロントリー社が考案したもので、その後ネスレがロントリー社の株式を取得し同品を引き継いだという。
ネスレは、ネスカフェやキットカットのほか、麦芽飲料のミロ、ミネラルウォーターのサンペレグリノ、ペットフードのピュリナワンなども手掛ける。2022年にスターバックスから買収したシアトルズベストコーヒーのオーナーでもある。
文/編集・dメニューマネー編集部
画像・田之尻美希