ベビーシッター利用料を補助する「こども家庭庁ベビーシッター券」について、2024年度は発行枚数が2倍近くになる方針というが、ベビーシッター券を使うとどのくらい費用を減らせるのだろうか。いくつかのモデルケースでシミュレーションしてみた。
週2回、保育園へお迎え&自宅で保育────1カ月の負担額5600円
ベビーシッター券は「企業主導型ベビーシッター利用支援事業」の承認事業主となっている企業の従業員が対象となり、1枚2200円の券を小学校3年生までの子供1人につき1日2枚まで使える。
1家庭で1ヵ月最大24枚まで使用できるので、最大5万2800円の補助が受けられるのだが、もし仕事が忙しくて保育園に子供を迎えにいけないケースでベビーシッター券を使うと負担額はいくらで済むだろうか。
ベビーシッターサービスを提供している「ポピンズシッター」では1時間の保育料金が2200円だが、ここにお迎えと自宅保育で2時間の保育を頼むとすると合計料金は4400円になる。
さらに担当ベビーシッターの往復交通費もかかるので、もし交通費が700円とすれば費用合計は5100円だ。
このケースではベビーシッター券を2枚使えば4400円割引されるので負担額は700円で済む。週2回、1ヵ月に8回頼んだとしても、本来なら4万800円の費用が5600円だ。
ベビーシッター券の利用限度枚数からすると、このケースであれば月12回まで頼める。
子供2人を外で遊ばせてから食事のお世話────4万円超の費用が約8000円
次に、子供2人の世話を頼むケースだが、9時から12時までの3時間、2人の子供を近くの公園で遊ばせ、帰宅してから昼食の介助をしてもらうとすると負担額はいくらになるだろう。
上と同じベビーシッターサービスを使えば、保育料金は2人の場合1時間3300円(2200円×1.5)となり、3時間で9900円かかる。これに交通費が加算され、合計金額は1万600円(9900円+700円)だ。
このケースだとベビーシッター券を4枚使えるので、割引額は8800円となり1800円の負担で済む。月に4回頼んだとしても、本来なら4万2400円かかる費用が7200円だ。
このケースであれば月6回まで頼める。
ベビーシッター割引券の利用方法とNGな使い方
ベビーシッター割引券を使うには、まず勤め先が割引券承認事業主である必要があり、それは公益社団法人全国保育サービス協会のWEBサイトで確かめられる。
勤め先が承認事業主であれば会社からベビーシッター割引券を受け取り、この事業に対応しているベビーシッターサービスを見つけて依頼する。
ベビーシッター割引券が使えるのは親が仕事で育児をできないときに限られ、勤務時間外や仕事が休みの日の使用は認められない。
利用できるのも、家庭内での世話や保育施設等への送迎のみ。逆に頼めないのは、たとえばお弁当を持たせて公園に連れていってもらう、習い事の送迎を頼む場合などだ。
また小学校へ迎えに行き、そのまま民間学童へ送り届けるといった保育施設間の送迎も禁じられている。家庭での保育中に洗濯物を取り込んでほしいなど雑用を頼むのももちろんNGだ。
2024年度は前年度1.8倍、70万枚の発行が見込まれるベビーシッター割引券だが、制度の浸透とともに需要も増えているので気になる人は早めに行動したほうがいいかもしれない。
文/編集・dメニューマネー編集部