高級腕時計ブランド「ロレックス」にバブルが到来している。そもそも人気が加速していた中で、新型コロナウイルスの影響で市場に出回る新品・中古のロレックスが減ったことが追い討ちをかけたといえる。だが、ワクチン接種が進んでコロナ禍が収束に向かえば、バブルが弾けて価格が暴落するかもしれない?
人気モデル、コロナ前から大きく値上がり
ロレックスは新品であっても、実売価格が定価を上回るケースが珍しくない。ロレックスの主要なモデルのここ数年の新品価格の推移を紹介しよう。
人気シリーズ「デイトナ」の116500LN(オイスターブレスレット・ホワイトラッカー)は、新型コロナウイルスの感染拡大が起きる前の2019年末は300万円を切る水準だった。しかし、コロナ禍が本格してから価格の上昇が著しく、2021年4月には平均価格が450万円を突破した。
シンプルなデザインが魅力の「エクスプローラー1」の214270(ホワイトバー/369 オイスターブレスレット・ブラック)も似た動きをしている。2019年末は平均価格が80万円台だったが、2021年4月には190万円近くまで価格が高騰した。値上がり率は2倍以上だ。
ブラックダイアルを備えた「エアキング」の116900(アラビア・オイスターブレスレット ・ブラック)も2019年末は70万円台だったが、2021年4月には120万円を超えるまでに価格が上がった。
ロレックスバブルが起きた理由は?
なぜこのようなロレックスバブルが起きているのか。それは冒頭でも触れたように、市場に出回るロレックスが減っていることが大きく影響している。
自動車業界でも感染予防のための工場閉鎖などを余儀なくされる中、腕時計業界でも工場の閉鎖が相次いだ。スイスに本社を置くロレックスもジュネーブ工場などを閉鎖せざるを得ず、生産に遅れが出てしまったという。
この生産の遅れにより、市場に出荷されるロレックスの数が大きく減った。また、海外への渡航が制限される中、ロレックスを各国に持ち込んでいた業者も自由に動けず、市場に出回るロレックスが少なくなることに拍車をかけた。
つまりこうしたことでロレックスの希少価値が高まり、バブルのような状態になったというわけだ。
バブルはもうすぐ崩壊?買い時はもうすぐ後か
しかし、このバブルはもうすぐ崩壊するかもしれない。
実はロレックスの一部モデルの価格は2021年4月をピークに落ち始めており、新型コロナウイルスのワクチン接種が進んで世界が正常化すれば、元の価格水準まで一気に戻る可能性がある。
そう考えると、いまはまだロレックスの買い時ではないかもしれない。数カ月待てば、もっと安く購入できるかもしれないからだ。いま買うと高値づかみになりかねない。
差益狙いなのにピークでロレックスを買ってしまった人は、手放すことも選択肢に入れて検討したほうが良いかもしれない。価格が大きく下落すれば、言うまでもなく大損してしまう。買うも売るも自己責任だが、ロレックス相場はいま難しい局面に来ていることだけは確かだ。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・濱田 優(dメニューマネー編集長)
画像・malajscy / stock.adobe.com
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