日ごろ市区町村役場に用がなくても、住民票や戸籍謄本・抄本を取るために行ったという人は少なくないだろう。1世帯あたり平均、年1回は住民票を取得しているというデータもある(横浜市)。こうした各種の証明書を取るには数百円かかるが、お得に取る方法があるという。窓口で証明書発行業務に携わっていた経験者に聞いた。
住民票や戸籍が無料になる3つの場合
住民票や戸籍謄本を取るのにかかる費用は、ほとんどの自治体でそれぞれ300円、450円だが、申請する手続きによっては、この手数料が無料になる。
無料になる手続きは3種あり、「年金の請求」「児童手当」「職場に提出する年齢確認」だ。
まず「年金を請求」では、老齢年金に限らず、障害年金や遺族年金の請求時にも、戸籍謄本の手数料が無料になる。
「児童手当」関連では、児童扶養手当や特別児童扶養手当を申請する際に必要な戸籍謄本が無料になる。
そして、アルバイト先など「職場に未成年が年齢確認」のため、住民票(住民票記載事項証明書)を提出する場合、発行手数料は無料となる。
無料で証明書発行を受けるための手続きは、市区町村によって、対応が異なることもあるため、電話や窓口で事前に相談することをおすすめする。申請を行う理由が分かる資料を持参すると早いだろう。
全国どこでも取得できる住民票なら郵送代を節約できる
住民票がある自治体から離れた場所から住民票を取りたい場合、通常は、住所地の役所に郵送してもらうことになるため、郵送請求をして、返信用封筒、切手、郵送料金、定額小為替などの費用がかかるが、住所地以外の役所で取れる「広域交付の住民票」なら、そうした郵送で請求するための費用がかからない。
「広域交付の住民票」は、住民票がある住所地以外の市区町村が発行する「住民票の写し」のこと。通常の住民票と違って、本籍や転居などの履歴が記載されない。
通常の住民票は住んでいるところの役所でしか発行できないため、他の市区町村から取る場合は郵送してもらうしかないが、この「広域交付の住民票」なら、住民票がある自治体以外でも出してもらえる。
本籍地が記載されないので、運転免許証の更新や年金、裁判関係などの手続きには使えないが、提出する先が広域交付の住民票での代用を認めている場合は、検討するとよいだろう。
コンビニで取得すれば安くなることも
さらに、コンビニで取得できる証明書は、役所の窓口での交付より50円~100円ほど安く設定している市区町村が多いので確かめるといいだろう。
マイナンバーカードを持っていれば取れるので、平日に忙しくて役所に行けない人も、早朝や夜間、土日祝日でもコンビニで証明書を取れるので便利だ。
文/編集・dメニューマネー編集部