イー・ラーニング研究所は、子どもがいる親を対象に「小中学校での授業時間短縮に対する意識調査」を実施し、その結果を公表した。
■小中学校の授業時間短縮に対する認知度は約2割にとどまるも、約4割は賛成という結果に
現在、文部科学省によって小中学校の授業時間の短縮が検討されており、時間短縮によって、創出された時間で、各学校の裁量での取り組みが拡大されることを知っているか聞いたところ、「知っている」と回答した人は約2割にとどまった。
次に、文部科学省の方針についてどう思うか聞いたところ、約4割が「賛成」と回答。
「賛成」と回答した人に、授業時間短縮により何を期待するか聞いたところ、「探求学習などのプラスαの取り組みが増えること」や「最後まで集中して授業が受けられること」、「各学校に適した授業環境が整うこと」などが上位に。
一方で、約1割の「反対」と回答した人に、授業時間短縮により不安を感じる部分は何か聞いたところ、「詰め込み教育により、授業についていけない子どもが増えること」が最多に。
授業時間の短縮により新たに創出された時間が、子どもにとってポジティブな影響があると考える親が多い一方で、授業内容のボリューム増加やスピード感に不安を感じていることが伺える。
■新たに創出された時間は「コミュニケーション能力の向上」や「金融教育」の活用に期待する声が多数
授業時間短縮によってできた時間で、学校でどのような学習をすることが理想だと思うか聞いたところ、「協調性や社会性などのコミュニケーション能力を育む教育」と「資産形成や投資などの金融教育」が上位に。
また、教育現場の変革により、子どもに身につけてほしい能力は何か聞いたところ、「他者とのコミュニケーションを円滑に行う能力」が最多となった。
外国語やプログラミング学習以上に、子どものコミュニケーション能力の向上や金融教育に力を入れてほしいと考えていることが明らかに。
■9割以上の親が、子どもが社会で役立つ能力を育むための授業実施を希望
社会で役立つ能力を育む授業を増やしていくべきだと思うか聞いたところ、9割以上の親が「思う」と回答。
また、その他、今後教育現場においてどのような授業が行われることを期待するか聞いたところ、「実践的な体験型の授業の増加」が最多となり、次いで「他の人と意見を交わしながら考える時間の増加」が続いた。
同結果から、前問のコミュニケーション能力向上と同様、他の人との意見交流を通して子どもの思考時間の増加や実践的な体験学習の増加を期待する親が多いことが分かった。
【調査概要】
調査方法:紙回答
調査期間:2024年4月3日~2024年4月26日
調査対象:子どもを持つ親、親族に子どもがいる人 計506人
<参考>イー・ラーニング研究所調べ「小中学校での授業時間短縮に対する意識調査」