一都三県の「ファミリー向け賃貸物件」の人気ランキング。LIFULL <2120> が運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」が、このほど発表した埼玉県のランキングで、1位がどこの駅か分かるだろうか。
このランキングは、前年から「問い合わせ」が増えた駅について、その割合をランキングにしたもの。東京都の1位は北参道駅(渋谷区)で、前年比は286%と約3倍だった。なお埼玉県の1位は、前年度比で147.4%だった。その駅は、果たして次のうちどれか──?
① 中浦和(JR埼京線)
② 南鳩ヶ谷(埼玉高速鉄道)
③ 新井宿(埼玉高速鉄道)
庶民的な路線で家賃相場が比較的安価な駅が多くランクイン
LIFULL HOME’Sは、2023年の変化として、5月に新型コロナウイルス感染症が5類に移行されたこと、食料品や日用品などの値上げが相次いだことなどを挙げ、一都三県の動向として、都心に近い駅、アクセスのいい駅で居住需要が増加したと指摘。
賃料については、前年度比116.3%(2万6,849円)の大幅な上昇となったが、ユーザーが問い合わせた物件の平均賃料は前年度比101.4%(2,316円)にとどまり、「賃料の上昇に需要が追い付いていないこと」が分かると分析している。
ランキングでは、駅名と路線名のほか、前年度比も発表されている。埼玉県のトップ10を見ていこう。
順位 駅名(路線名)家賃相場
1 新井宿(埼玉高速鉄道)6.5万円
2 中浦和(JR埼京線)7.85万円
3 霞ヶ関(東武東上線)5.4万円
4 南鳩ヶ谷(埼玉高速鉄道)7万円
5 東行田(秩父鉄道)5.2万円
6 三郷(JR武蔵野線)7.5万円
7 羽生(東武伊勢崎線/秩父鉄道)5.7万円
8 東宮原(埼玉新都市交通)7.35万円
9 小手指(西武池袋線)6.5万円
10 新河岸(東武東上線)6.08万円
このように1位は新井宿駅(川口市)だった。正解は③。新井宿駅についてLIFULL HOME’Sは、相模鉄道新横浜線・東急電鉄新横浜線が2023年3月に開業したことで、埼玉高速鉄道が新横浜まで乗り換えなしでアクセスできるようになったことを挙げ、「交通利便性の向上が大きく問合せ数を増やした要因と考えられ」ると分析している(なお埼玉高速鉄道では、新井宿の2駅隣りにある「南鳩ヶ谷」も4位にランクインしている)。
このほか、東武東上線も相互直通運転で人気が高まったとしており、3位に霞ヶ関、10位に新河岸がランクイン。いずれも川越市にある駅で、川越からはそれぞれ2駅、1駅。都心方面では池袋に40分以内でアクセスできる。
LIFULL HOME'S総研の副所長で、チーフアナリストの中山登志朗氏は、埼玉県の人気駅について、「いずれの路線も都心までダイレクトアクセスが可能であったり、他路線との相互乗り入れによって都心方面へのアクセスが良好」としながら、一方で「ややローカル色のある庶民的な路線で、家賃相場も比較的安価に設定されている駅が多く」あるとコメントしている。
文/編集・dメニューマネー編集部
画像・田之尻 美希