カードローンで借りたお金は、残りをすべて一気に返す「一括返済」ができ、分割で支払うよりも利息が少なくなるため、返済総額が安くなるメリットがありますが、注意したほうがいいこともあります。
一括返済するとどのくらいお得になる?50万円・10万円借りたケース
カードローンの「一括返済」は、毎月一定額を返済する「約定返済」よりどれくらいお得になるのでしょうか。
たとえば、50万円を金利15%で借りたケースで、2年かけて返済する場合と、1年後に残りを一括返済する場合での違いを計算してみましょう。
2年かけて返す場合は、毎月の返済額は2万4000円、返済総額は58万円です。1年後には当初借りた額の半分にあたる25万円を一括返済すると、返済総額は56万円になり、済総額が約2万円少なくなります。
当初借りる額をもっと減らすとどうでしょうか。10万円を15%で借りて半年で返すケースを考えます。こちらも返済予定期間が半分過ぎた3ヵ月後に、借入残高の5万円(借りた額の半分)を一括返済すると、半年で返すよりも、払う総額が約2000円減らせます。
カードローン会社やサービスによって計算方法は異なりますが、カードローンの利息は借入期間が長くなるほど増えるので、一括返済で借入期間を短くすれば、総額も減らせるでししょう。
一括返済の注意点は?
一括返済をする際の注意点は、約定返済とは別の手続きや振り込みが必要ということです。
カードローン会社のウェブサイトやコールセンターへの問い合わせで正確な借入残高を確かめましょう。利息は1日単位で加算されるので、一括返済する日にいくら返せば、すべて返し切れるのか確かめしましょう。一括返済は、ATMやカードローン会社の窓口のほか、スマホなどでもできます。
カードローンの繰り上げ返済には、「一括」以外に「一部繰り上げ返済」もあります。これは文字通り、“一部”を繰り上げて返済する方法で、借金がゼロになるわけではなく、繰り上げ返済をした月も、毎月の支払いを別途しなければいけません。「今月は繰り上げ返済したから、月末の支払いはなくなる」わけではないのです。
一括返済で生活が苦しくならないように
一括返済すればローンの支払いは終わりますが、それで生活費に困るようだと、また借りなければいけなくなります。
「早く借金をゼロにしたい」という気持ちは理解できますが、一括返済した後の生活が苦しくなるようなら、無理せず定期の返済をしていきましょう。
文・武藤貴子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部