株式投資で大事なのは、「買ったことを忘れて持っておくこと」と言われますが、これは株主優待狙いの投資でも同じです。なぜなら、優待銘柄の中には、投資家が長く持つほど優待内容が豪華になるものがあるからで、たとえばある家電量販店は、1年未満なら株主優待が3000円ですが、3年以上持つと6000円分と2倍にもなります(文中株価は6月10日終値)。
優待+配当で3%以上、優待が2倍以上になる銘柄
長く保有すると優待内容がよくなる企業はたくさんありますが、その中で、「優待利回りと配当利回りをあわせて3%以上」で、「中長期保有で優待が倍額以上」になり、さらに「筆者が持っている」銘柄を紹介します。
家電量販店のエディオン <2730> (株価1582円、配当利回り2.84%)は、100株保有で、自社で使えるギフトカード3000円が、3年以上持つと6000円と倍額に増える株主優待です。
100株の場合、保有期間1年未満なら3000円分ですが、1年以上では1000円加算の4000円分、2年以上保有で2000円加算の5000円分となり、そして3年以上保有で6000円になります。
リコー系のリース会社・リコーリース <8566> (株価5070円、配当利回り3.25%)は、100株以上保有の場合、1年未満保有で2000円相当のQUOカードがもらえますが、3年以上持つと5000円相当、2.5倍に増額します。
化学商社の稲畑産業 <8098> (株価3355円、配当利回り3.73%)は、100株以上、保有期間が6ヵ月未満だと500円分のQUOカードがもらえますが、6ヵ月以上で1000円、3年以上で2000円になります。長く保有すれば4倍に増えるわけです。
IR支援のプロネクサス <7893> (株価1253円、配当利回り4.15%)では、株数に応じたQUOカードがもらえますが、100株で1年未満では500円分、1年以上なら1000円分、3年以上なら1500円分と増えていき、10年以上なら3000円分と、6倍にまで増えるのです。
中長期投資を呼びかける企業も多い
このほかにも、長く持っておくことで株主優待の内容がよくなる銘柄はありますし、最近は継続保有でないと株主優待をもらえない銘柄も増えているようです。
たとえば、6月の権利確定銘柄(12月も)として有名な日本マクドナルドホールディングス <2702> (株価6430円、0.65%)は、昨年、優待の条件に1年以上という継続保有期間の条件をつけました。
このため、今から新たに買ったとしても、2025年の6月からでないと株主優待を受けられません。
長く持ち続ける上での注意点
長期保有には注意点もあり、それは、長い期間の間に相場の暴落が起きる可能性があることです。「〇〇ショック」と呼ばれる暴落時には、継続年数がリセットされようとも、いったん売ってしまうことが正解の場合もあります。
文・谷口久美子(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部