共働き家庭や子供の転校が難しい場合に、仕事の都合で単身赴任しなければいけなくなると、世帯が2つに分かれて支出が増え、家計が苦しくなるかもしれません。少しでも支出を減らすには、抑えるべき費用を管理する必要があります。
単身赴任する夫の家計はどうなる?残る家族の家計は?
転勤のある会社に勤めている場合、単身赴任で2世帯になる可能性があります。単身赴任する夫(または妻)の生活費は一般的な独身の一人暮らしの人と同じくらいと考えられ、平均約17万円です(総務省2023年「家計調査報告」)。
単身赴任する人の世帯ではそれまでに比べ、住居費、光熱費、食費、交通費などが新たにかかることになります。
ただし、会社から単身赴任手当や住宅手当が支給されるのが一般的です。民間企業の単身赴任手当は平均で月額4万7,600円です(厚生労働省2020年「就労条件総合調査」)。
一方、残された家族の家計では住居費や子供の教育費は、それまでと同じにかかります。食費、光熱費、日用品費などは家族が一人減った分、少なくなります。保険料や夫婦のお小遣いは、転勤前後で変わりません。
2つの世帯の家計で抑えたいのは「食費」と何?
2つの家計を維持する上で大切なのは何でしょうか。まず単身赴任の家計で注意すべきことを確かめましょう。
住居費は、会社からの補助が出ることが多いですし、補助がなかったり少なかったりする場合も、なるべく家賃の安い物件を探すなどすればよいでしょう。光熱費や交通費も、ムダ遣いを慎む程度で十分でしょう。
単身赴任世帯で問題になりがちなのは、食費と交際費です。一人暮らしでついつい外食や飲み会が多くなると、食費やお小遣いがたちまち予算オーバーしてしまいます。
このため、ルールを作って守るようにしましょう。たとえば「食費は月4万円、お小遣いは従来どおりの金額で、交際費はお小遣いから出す」といった形です。
食費の金額とお小遣いに含める項目の決め方がポイントになるでしょう。
予算分をチャージした電子マネーで残高を確認しながら支払う、といったやり方も取り入れるとよいでしょう。
残る家族の世帯で注意したいのは、食費や光熱費で、一人減るので、以前と同じだけ使っていてはいけません。目安としては、7割程度に抑えるとよいでしょう。
2つの世帯でコミュニケーションを図りながら、なるべく転勤前の家計の収支をオーバーしないようにしていきましょう。
文・松田聡子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部