現金がいらないキャッシュレス決済は便利ですが、お金の動きが見えにくいなど不便な面もあります。たとえば、ある調査で、「使えるお金があとどのくらいあるのか」を把握する上で、現金よりキャッシュレス決済のほうが便利と答えた人は33%にとどまりました(インフキュリオン、2023年)。
そのため、キャッシュレス決済をメインに使うなら、現金とは異なる家計管理法が必要で、そのコツは4つあります。
コツ1 使うキャッシュレス決済の数を絞る
たくさんのキャッシュレス決済を使うとお金の管理が難しくなるので、決済方法はなるべく絞りましょう。その際、支出の種類に応じて使い分けると便利です。
たとえば、水道光熱費などの固定費はクレジットカード、交通費は交通系電子マネー、食費など日常の買い物にはQRコード決済を使う、といった具合です。
全体で3〜4つのキャッシュレス決済にまとめると、家計管理が楽になりますし、決済時に付与されるポイントを効率よく貯められます。
コツ2 各キャッシュレス決済で1ヵ月に使える金額を決める
毎月の予算内に支出を抑えるためには、各キャッシュレス決済で、1ヵ月に使える金額を決めておきましょう。コツ1とあわせると、固定費(クレカ払い)はいくら、交通費(交通系電子マネー)はいくら、食費などの日用品費(QRコード決済)はいくら、と決めることになり、より節約がはかどります。
コツ3 変動費はプリペードやデビットカードなどが向いている
食費や日用品などの変動費に向いているのは、前払い(プリペード式)や即時払いのデビットカードなどです。変動費の支払いを後回しにすると、翌月以降にいくら支払う必要があるのか分からなくなりがちだからです。
普段と同じくらいの支出なら問題ないかもしれませんが、いつもより多く使った月は、翌月以降の負担が重くなります。
プリペイド式のキャッシュレス決済にチャージされた分でやりくりしたり、デビットカードで利用上限額を設定して使うとよいでしょう。
コツ4 口座残高や利用明細の分かるアプリを活用する
キャッシュレス決済の利用をまとめて確認するには、銀行口座やキャッシュレス決済などを連携して、まとめて一つで全体が確かめられるアプリを使いましょう。家計簿アプリなどにはこの機能があります。
こうしたアプリを使わないと、銀行口座、クレカの使用額などをそれぞれ確かめる必要があり、面倒で続きません。
キャッシュレス決済を安心して使うためには、セキュリティ対策が欠かせません。不審な利用がないか利用履歴は定期的に確かめる、万が一の不正利用に備えて利用限度額を高くし過ぎない──などの対策を講じ、キャッシュレス決済を安全に使って家計をしっかり管理しましょう。
文・武藤貴子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部