自動車整備工場での事故車の修理工賃が引き上げされるかもしれない──。全国の自動車車体整備事業者で構成される「日車協連」(日本自動車車体整備協同組合連合会)が、事故車の修理工賃引き上げについて、損害保険大手4社と交渉する可能性が大手紙で報じられました。日車協連は17.5%以上の引き上げを求めており、実現すれば30年ぶりの修理費値上げとなるかもしれません。
さまざまなものが値上がりする中、自動車の修理代も値上がりするかもしれない中、自動車保険の加入を考えるなら、車両保険をどうするか改めて考えたほうがいいかもしれません。
車両保険は、自分の車の修理費を補償してくれる
車両保険は、交通事故などで自分の車両が故障、破損した場合、修理費が補償される保険で、車両保険単体で入ることはできず、自動車保険の契約の際に、対人賠償や対物賠償などと一緒に加入するかどうかを決めます。
車両保険に入れば保険料は高くなります。たとえばトヨタ プリウスの自動車保険料は、40~49歳の場合、車両保険に入っていないと年間約2万7000円ですが、入ると約5万1000円です。
車両保険は相手のいない自損事故にも対応できますし、事故以外にも盗難・いたずら・落書きや、洪水など自然災害によって被害を受けた場合も補償されます。
もし自動車保険に入らない場合は、自分より相手側(対人・対物)の補償を手厚くするのが一般的です。
車両保険に入ったほうがいいのはどんな人?
車両保険に入るかどうかを決める際の一つの基準は、車の修理費がかかる時などに、「自己負担するのが大変かどうか」で、入ったほうがいいと考えられるのは、「ローン残高が車両価格の30%以上残っている」場合や、「修理費が高額になりがちな高級車を買った人」、そして「修理費をカバーできる貯金がない人」でしょう。
また、運転に自信がない人も考えられます。自損事故や車庫入れのミスなどで修理が必要になる可能性があるためです。
車両保険でも補償されないケースに注意
ただし、車両保険でも補償されないケースがあるため、注意が必要です。たとえば、地震、津波、火山の噴火による車の損傷は、保険会社の特約を付けない限り、補償の対象外です。また、車両保険を使うと翌年度の等級が下がり、保険料が上がることもおさえておきましょう。
こうした注意点と、車に修理が必要になった時の自己負担を見比べ、車両保険に入るかどうか判断しましょう。
文・武藤貴子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部