株主優待

【株主優待】2100円の投資で優待が年1000円?「株価が安いのに優待が良すぎて不安」な銘柄への投資

2024/06/28 07:00

株主優待の中には、株価が驚くほど安いのに優待が充実しているものがあり、たとえばある外食銘柄は、1株21円ほどで、100株を2100円で買うと1年で優待券が1000円もらえます。年間300銘柄以上の優待をもらう優待主婦が、そんな“株価が安すぎるのに優待が良すぎて、かえって不安になる”銘柄に投資する際のスタンスを教えます(

株主優待の中には、株価が驚くほど安いのに優待が充実しているものがあり、たとえばある外食銘柄は、1株21円ほどで、100株を2100円で買うと1年で優待券が1000円もらえます。年間300銘柄以上の優待をもらう優待主婦が、そんな“株価が安すぎるのに優待が良すぎて、かえって不安になる”銘柄に投資する際のスタンスを教えます(文中株価は6月25日終値)。

2100円の投資で1000円の優待。つまり優待利回りは約48%!

持ち帰り寿司などで知られる小僧寿し <9973> (KOZOホールディングスに商号変更予定、7月1日付)の株価は21円で、100株(1単元)買っても2100円ですが、500円相当の優待券がもらえ、権利は年2回あるので1年で1000円分。優待利回りは実に47.62%です。

1株21円と聞くと、多くの人が「安いな」と思うでしょうし、「そんなに安いのに優待が充実していると不安、かえって怖い」という人もいるのではないでしょうか。

小僧寿しのここ数年の業績は、コロナ禍の影響もあってか不調で、営業利益は2021年から2022、2023年は赤字でした(12月期)。2024年12月やっと黒字予想になっているものの、黒字が続いているわけではなく、投資対象としてはリスクが低い銘柄とは言いがたいでしょう。

ただ、このまま株主優待の水準が維持されれば、2年半(優待5回)で元本が回収できます。コロナ禍明けで客足が戻ってきていることもあり、もしも株価が上がれば含み益も期待できますし、2100円ほどなら、無理なく投資できる額と考えていいのではないでしょうか。

このような株はほかにもある

同社のように、優待利回りがよくて不安に感じてしまう銘柄はほかにもあります。

たとえば、焼き肉店や居酒屋などの焼肉坂井ホールディングス <2694> の株価は76円で、100株でも7600円です。

3月と9月の年2回を基準日として、10%引きになる優待券が2枚ずつもらえ、大人4人で税込3058円の食べ放題メニューを楽しむなら、1回あたりの割引額は1223円です。

割引の適用は一人1枚ではなく、1会計で1枚なので、もらった4枚をすべて大人の食べ放題メニューで使うと、年間の合計割引額は4892円。つまり2年間で“回収”できる計算です。

カジュアル靴の小売りなどを手がけるアマガサ <3070> の株価は113円で、100株で1万1300円。こちらは1月と7月に権利確定する銘柄で、100株では3000円ごとに使える1500円のクーポンがもらえます。年間3000円の割引が見込め、割引クーポンをすべて使えば4年間で回収できます。

「何年か優待をもらえればよい」精神で挑もう

このような株は、財務状況がとくに良いわけではないので、株主優待が廃止される可能性もありますし、配当が出ない(無配)銘柄も多いです。買い増しせずに最小単元の100株で様子を見るようにしたほうがよいと筆者は考えます。

しかし、財務状況が良い優良株で、決算がよくても株価が下がる場合もあります。株価の予想は簡単ではありません。

だからこそ、このような、投資元本が少なくて済む、(優待が続けば)数年で回収できる見込みがある株に、「何年か優待をもらえれば」の精神で挑むのはいかがでしょうか。

文・谷口久美子(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部

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