家計の見直しで重要なのは、まず取り組みやすい項目を見極めることで、それによって4人家族で年間36万円以上節約できるかもしれない。具体的にどの項目を見直せばいいのか、シミュレーションしてみた。
家計に占める割合が最も多い食費の見直しで月2万円以上の節約も
夫婦と子供2人の4人家族の場合、1ヵ月にかかる生活費は約33万円で、そのうち食費が約8万7000円ともっとも大きな比重を占めている(総務省統計局2022年家計調査報告書調べ)。
食費は家計を節約するために重要な項目といえるが、特に外食費は1人平均1491円かかっており、4人家族の場合5964円の計算になるので、外食が多い家庭は見直したい項目だろう(リクルートライフスタイル外食市場調査)。
自炊したときの食費は1人平均626円、4人なら2504円となるので、もし1週間に複数回外食しているなら、そのうちの1回を外食から自炊にすれば3500円の節約になる(5964円―2504円)。1ヵ月なら1万3840円の節約だ。
食費のなかには飲み会代も含まれるが、飲み会1回当たりの平均費用は4237円との調査結果があるので(キュービック)、夫婦がそれぞれ1ヵ月に複数回飲み会に参加しているなら、そのうちの1回ずつ減らせば。8474円の節約になる。
外食費と飲み会代を合わせると1ヵ月で2万2314円、年間26万7768円の節約となるので、こうしたケースが当てはまるなら最優先で見直したほうがいいかもしれない。
水道光熱費はこまめな対策で年間2万円以上の節約も可能?
水道光熱費も。家計のなかで大きな割合を占めており、4人家族の場合、平均で電気代が1万3414円、ガス代5226円、水道代6120円、他の光熱費が902円となっている(総務省統計局2022年家計調査報告書調べ)。
こうした費用を節約するには細かな対策を積み重ねるしかないのだが、たとえば電気代であれば、エアコンの冷房設定温度を27度から1度下げると年間約940円節約できるとされる(資源エネルギー庁省エネポータルサイト)。
また、暖房の設定温度を21度から20度にした場合は約1650円、冷房運転の時間を1時間短縮すれば約1260円の節約になるという。
そして、冷蔵庫なら設定温度を強から中にするだけで年間約1910円の節約、さらには壁から適切な位置に設置すれば約1400円節約できる。
このほかにも、電気ポットのプラグをずっとコンセントにさしっぱなしにしているなら、寝る前に抜いておくと1年間の節約額は3330円になる。
白熱電球を使っているなら、それを電球形LEDランプに交換すると年間約2883円、照明器具をLEDに取り替えると約2108円の節約が見込めるそうだ。
ガス代であればガスファンヒーターの設定温度を21度から20度にすると年間約1320円の節約、ガス給湯器の設定温度を40度から38度にすれば約1430円節約できる。
食器を洗うときは食器洗い乾燥機を使った方が、年間約6470円光熱費が安く済む。
もしこれらの対策をすべて行ったとすると、水道光熱費の節約額は年間で2万4701円、ひと月では約2058円にもなる。
家計の見直しで取り組みたいその他の項目
4人家族の通信費用は1ヵ月で平均1万4053円となっており、家計を見直すうえで見過ごせない項目の一つといえるだろう(総務省統計局2023年家計調査報告書家計収支編調べ)。
インターネット通信費の場合、料金の相場が光回線で4000円~5000円前後、ホームルーターであれば3500円~4000円前後、ポケット型Wi-Fiが2000円~3500円前後となっているので、もし光回線を利用しているなら、それをホームルーターに変えれば500円~1000円の節約になるだろう。
インターネット契約の見直しでも費用を抑えられ、同じ戸建て向けのプランでも、月額5720円(税込み、以下同じ)のところもあれば、4620円、4796円のところもあるので、安い業者に乗り換えれば1000円近く節約できる。
ネットとスマホのセット割を利用するのも費用を節約する有効な手段で、大手通信キャリアのセット割は1人最大月額1100円割引となるので、4人家族なら月4400円、年間で5万2800円の節約になる。子供にスマホを持たせているなら検討の余地があるだろう。
定期的な支出となる動画配信サービスも家計を見直すうえで一考したい項目で、もしほとんど利用していないなら解約によって1000円~2000円ほど節約できる。
さらに複数のサービスに加入しているなら、そのうちの一つだけ残して残りを解約すればやはり数千円が浮かせられるかもしれない。
どうしても動画配信サービスが手放せないなら、より安いサービスに移るのも一つの手段で、たとえば、動画配信以外のサービスもあるため、月額の費用が高めの「U-NEXT」(2189円)から、「Amazonプライム・ビデオ」(月額600円)に乗り換えれば1589円も節約できる。
動画配信サービスのほかにも、音楽配信や食事の宅配など、黙っていてもお金が出ていくサブスクは見直しの対象としたほうがいいだろう。
もしこれらの見直しをすべて行うと、合計で年間36万4337円(注)節約できる計算になるが、こうした家計の見直しをするために必要なのが家計簿だ。
(注……外食費16万6080円+飲み会代10万1688円+水道光熱費2万4701円+通信費ネットとスマホのセット割5万2800円+動画配信サービス「U-NEXT」から「Amazonプライム・ビデオ」に乗り換え差額1万9068円)
家計簿をつけるだけで5000円〜1万円未満支出額が減った家庭が48.6%というアンケート結果(東証)もあるので、まずは家計簿をつけるところから始めてみてはいかがだろうか。
文/編集・dメニューマネー編集部