医療保険にはたくさんの商品がありますが、大きく分けて「定期保険」と「終身保険」があり、その違いは保障期間です。どっちがいいのか迷ったときは、老後への備えが十分かどうかで検討するとよいでしょう。
老後の蓄えができているなら「定期保険」
老後に向けて貯蓄・資産形成がある程度できている人は、「定期保険」がいいでしょう。定期保険はある程度貯蓄ができるまで、子供が独立するまでといったように、一定期間の医療費に備えたいときに向いています。
たとえば、一つの考え方として、65歳までは定期保険に加入して、そこから先は保険には入らないという方法もあります。高齢になると病院にかかることは増えるかもしれませんが、75歳を超えて後期高齢者になると医療費の負担は2割に減るなどするからです。
医療費をすべて保険でまかなう必要もありません。NISAやiDeCoで老後に向けてしっかり蓄えを作っておけばいいのです。
定期保険は、保険料が少しずつ金額が上がるため、若いときの保険料は安くなります。これに対し、終身保険は加入時から金額が変わりません。高齢時の保険料を前払いする形なので、定期保険と比べると若いときの保険料が高めになるわけです。
将来保障の見直しを考えているなら、定期保険をつなぎで契約しておくのも一案です。
老後の備えがが十分でないなら「終身保険」
これに対し、老後に向けての貯蓄に不安がある人は、「終身保険」がいいでしょう。
現役をリタイアしたら一般的に収入は少なくなりますが、終身保険に加入していれば、万が一のときにお金がなくて病院に行けないという事態を避けられる可能性が高いからです。
ただ、上で触れたとおり、終身保険は保険料が変わらないため、収入が低い若いときは、負担が重く感じるかもしれません。そこで、とりあえず保険料の安い定期保険に加入しておき、ゆくゆく終身保険に切り替えるのも一つの方法です。
老後に保険料を負担し続けるのが不安であれば、退職までに払い込みを終えるよう調整することもできるでしょう。
保険を見直すなら50~60代が一つのタイミング
50~60代は、子供の独立や定年などライフスタイルに変化が多く、保険を見直すタイミングにもぴったりです。
医療技術の進化によって治療方法も変わり、これに合わせて医療保険の内容も変わっています。たとえ、「今入っている保険に不満はない」と思っていても、実は見直しすると、保険料が安くなったり、金額は変わらずに保障が充実したりするかもしれません。
切り替えるかどうかはともかく、見直しだけでも定期的にするとよいでしょう。
ただし注意点として、健康状態によっては新しい保険に入れなかったり、乗り換え時の年齢により保険料が高くなったりすることもあります。
文・佐々木佐奈(ライター)
編集・dメニューマネー編集部