本記事は、山口 貴大(ライオン兄さん)氏の著書『年収300万円FIRE 貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」』(KADOKAWA)の中から一部を抜粋・編集しています。
「投機」ではなく「投資」をしよう
FIREを実現させるには、投資をしてお金を増やしていかなければなりません。
ところが、世の中には「投資はギャンブルみたいに危険なものであり、たくさんのお金がないとできない」という誤ったとらえ方をしている人も多いのが現状です。
きっと1日のうちに株を何度も売買してお金を増やしていくデイトレードなどをイメージしてしまうのでしょう。
しかし、デイトレードは投資というよりも「投機」です。
投機というのはその名の通り「機会(チャンス)に投じる」こと。
一方、「投資」は、長期的に資産を増やすために、現在持っている資本を投じることを指します。
デイトレードは短期間でハイリスクな金融商品を売買して利益獲得を狙うものなので、私がこの章でご説明したいと思っている投資法とは大きく異なっています。
なぜ「株式投資」がおすすめなのか?
投資商品にはさまざまな種類があります。簡単にご説明しましょう。
投資の対象となる伝統的な王道の資産としては、株式、債券、不動産が挙げられます。
・株式投資
企業が発行する株式を購入して株主となることで、その会社があげた利益の一部を株主配当(インカムゲイン)として得ることができます。株価が上昇すれば、値上がり益(キャピタルゲイン) を得られます。
・債券投資
国や地方自治体、企業が発行する債券を購入することで発行主体にお金を貸して、貸付利子としての利息を得る投資法です。最も代表的な債券は国が発行している「国債」です。
・不動産投資
アパートやマンション、一戸建てなどの物件を購入し、第三者に貸して家賃収入を得る投資法です。
投機性の強いものとしては、FX、暗号資産(仮想通貨)、バイナリーオプションなどがあります。最近ではNFT(デジタル資産)でも投機している人が出てきているようです。
・FX
FXとは外国為替証拠金取引(Foreign Exchange)の略で、通貨の売買をすることによって差益を得る投資法です。国内取引所では25倍までのレバレッジが使えるので、使い方によっては超ハイリスクな金融商品です。
・暗号資産
ビットコインに代表される暗号資産は、インターネット上で売買することによって差益を得ます。こちらは価格変動率がすさまじく、超ハイリスクです。
・バイナリーオプション
一定時刻を決めて、その時刻までの間に投資した銘柄の価格が予測通りに動けば利益獲得、予測と逆方向に動けば損失となる投資法です。
これらの投資法のうち、私がおすすめしたいのは株式投資です。
債券よりは上昇率が高く、長期的に見るとFXなどの投機的な金融商品よりはリスクが低いというのがその理由です。
図22は株式や、債券の代表選手といえる国債、金(ゴールド)、米ドルを1802年に1ドル買ったら、200年後の2001年にいくらになったかを示したグラフです。
米ドルの価値が0.07ドルに低下しているのは、インフレ(物価上昇)によって、200年前の1ドルの価値が、2001年には10分の1以下に低下したことを示します。
それに対して株式投資はインフレに強く、企業自体が200年の月日をへて大きく成長しているので、200年前に1ドルだった価値が約60万倍まで上昇しています。
利子を得ることで資産を増やす債券投資に比べても、株式投資の優位性は明らかです。
株式投資の場合、短期的に見ると債券などより大きく値下がりしてしまう時期もあります。しかし、15年以上の長期投資ができるなら、株式投資のほうが債券投資よりも断然パフォーマンスがいいといっても過言ではないでしょう。
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