生活苦、約半数が実感 - 食費高騰が家計圧迫
「この1年で生活が苦しくなったと感じますか?」という問いに対しては、46%が「はい」と回答。生活防衛意識の高まりが浮き彫りとなった。物価上昇を実感する場面としては、「食費が上がり、生活費を圧迫している」という声が最も多く、家計への影響の大きさが伺える。
給与は現状維持が最多 - 年代別で異なる傾向も
「この1年で給料は増えましたか?」という問いに対しては、「現状維持」が最も多く、年代別にみると若年層では「増えた」という回答が、50代以上では「減った」という回答が多い傾向が見られた。
貯蓄重視は依然根強い - 将来不安や万が一への備え
貯蓄に対する意識は依然として高く、「余剰資金は全て貯金する」と回答した人が最も多く全体の34%を占めた。フリーコメントの中で見られた貯蓄の理由としては、「将来不安だから」「稼ぎが少ないから」といった切実な声や、「将来病気などで大金が必要になったら心配」「いざという時にお金がないと何もできない」など、堅実な考え方が見受けられた。
年代別では、年齢が上がるにつれて貯蓄重視の傾向が強まり、特に70代では6割以上が「余剰資金は全て貯金にする」と回答している。
投資は様子見? - リスク回避意識が顕著
投資に対する意見としては、「最低限のみで良い」「計画的に投資している」がそれぞれ3割程度を占めた。「最低限のみで良い」「投資は不要」を合わせると過半数を超え、貯蓄と比較して投資には積極的でない様子が伺える。
投資に対する具体的なコメントとしては、「リスクは極力避けたい」という意見が多く、投資に対する不安や抵抗感が根強いことがわかる。年代別に見ても、年齢層が上がるにつれて「最低限で良い」「投資は不要」の割合が増加傾向にある。
資産運用、二極化の様相も - 情報収集と将来設計が鍵に
保有している金融資産額は、「10万円〜100万円未満」が最も多く14%、次いで「100万円〜500万円未満」と、500万円以下の資産保有者が多数を占めている。
年代別では、年齢が上がるにつれて保有資産額が多い人の割合が増加する傾向が見られる。60代では「10万円〜100万円未満」と「1000万円〜5000万円未満」の割合が多く、高齢層における資産保有の二極化が示唆される結果となった。
今回の調査結果から、物価高騰の影響が家計に深刻な影を落としている実態が明らかになった。貯蓄だけでは物価上昇に追いつかない可能性もある中、投資による資産形成の必要性が高まっていると言えるだろう。しかし、投資にはリスクが伴うことも事実であり、まずは情報収集やリスク管理の知識を身につけることが重要だ。
将来設計に基づいた適切な資産形成と、物価高騰という逆風を乗り切るための戦略が、これまで以上に求められていると言えるだろう。
■調査概要
調査概要:投資と貯金、家計に関する意識調査
調査期間:2024年6月23日〜2024年7月7日
調査人数:1529人
調査方法:インターネット調査
モニター提供元:クラウドワークス
調査元:ココザス株式会社(掲載メディア:COCO the Style)
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。